1992年7月1日発売
妖怪の生まれ変わりである生徒ばかりを集めた、私立神堂学園。闇使いにして唯一フツーの高校生神無木良太は、あいもかわらず能天気な彼らに振り回されっぱなしである。新宿で、若い女性ばかりが惨殺されるという事件が起こった。犯人は大江山の酒呑童子。1000年の時を経て、人間への凄まじい恨みと復讐心に燃えて甦ったこの鬼は、ついに学園都市に姿をあらわした。時同じくして、学園の生徒たちに異変が起こり始める。次々に姿を消した彼らを操る、少年の目的は何か。良太の下を訪れた陰陽師・水柿源佐は、都市周辺の結界が緩み始めたこと、狂った妖怪たちを封印しろという『上』からの命令を、彼に告げるのだが…。妖怪アクション人気シリーズ第2弾。
おれの名は藤堂風牙。身すぎ世すぎの新聞記者稼業と忍者の裏商売の両方で面白そうな社会現象、新興宗教団体「カオス真幻教」とその教祖・千川澪瑠を探るうちに、おれは超能力をある野望のために研究しているとんでもない集団と闘わねばならぬ羽目になった…。バイオレンスが爆発する腕力小説、シリーズ第3弾。
銀河パトロール中にSOSシグナルをキャッチしたコズミック・ハンターのユウは、宇宙機雷の攻撃を受け辺境の惑星ノーグに不時着する。そこには怪物と化した森の動物と、原因不命の疫病に苦しむ人々の姿があった。かつてノーグを手中に収めようとして封じられたモルガンという妖姫がいたことを知ったユウは、真相を突き止めるべく魔法の力を持つ少女サヤとともに旅立つ。彼らのゆく手に立ち塞がるモルガン四天王。はたして伝説は本当に蘇ったのか。そしてSOSを送ってきた者の正体は!?次々と謎の深まる中、ユウのサイキック・パワーが爆発する。人気RPG「コズミック・ファンタジー」初の小説版、ついに登場。
浦和市の証券会社に水中銃を持った男が乱入、5人の女子従業員を人質に更衣室に立て篭った。現場に急行した埼玉県警の刑事一係の香川らは、特別捜査本部を設置、人質の安全を第一に解決にあたった。だが、数時間がすぎても犯人の身元さえ判明しない。刑事たちの焦りがつのるなか、やがて男は奇妙な要求をつきつけてきたー。長篇警察小説。
教え子とのレズ・セックスに溺れる女教師・優子。優子にはもうひとつ顔がある。それは男に尻を貫かれ、身の毛もよだつ羞恥にわななくマゾヒストの顔だ。男の荒々しい悦戯と教え子の巧みな愛戯に、被虐の歓びの淫蜜をしたたらす優子はどこまで淫乱な女教師なのだろうか…。
パルトグラートへようこそ!ここは「ペレストロイカ」の名誉ある模範都市である。禁酒・反官僚主義キャンペーン-。モスクワから次々と改革の要求が送られてくる。ペレストロイカ屋と保守主義者が互いの面をたたきあい、共産主義の害悪がことごとく暴露された。しかし人々はとんと無関心。街は以前にもまして酔いどれにあふれ、ただでさえ商品の少なかった店は空っぽになった。架空都市を舞台に全世界がこぞって支持する「ペレストロイカ」の虚妄をあばき、ゴルバチョフの挫折をいち早く予告した異端派亡命作家の禁じられた問題作。痛烈パロディ。
人間とはなにか?私たちが生きるというのは、いったいどういうことか?今という時代を生きのびるために、そして根拠のあるよろこびと明るさをどこまでも持ちつづけ、問いを生きつづけるために、子どもの本を通して見えてくるものを等身大のことばと低い静かな口調で語りかけるもうひとつの児童文学入門。
大学を卒業して遊び半分のOL生活をエンジョイしている細矢川冬美は、軽い気持ちで見合いをした相手、圭吾がだめ男だと知ってもなぜか惹かれ、溺れていく。お嬢さまOLの夜の悶えを鮮烈に描いた官能長編。
倦怠すら感じる日常の、男と女のあやふやな関係の隙間にフッと忍び寄る、恐怖の、犯罪の魔手のそれぞれを、的確な砥ぎ澄まされた著者独自の人間観察眼で追いながら、つねに充実のミステリーとして創造しつづける名手・多岐川恭のミステリーランド第4弾。
1955年2月のある日,荒天下のカリブ海で、コロンビア海軍の駆逐艦から数名の水兵が海に落ちた。全員が絶望視されていたにもかかわらず,10日後、1人の水兵が瀕死の状態で母国に漂着した。太陽に焼かれ、鮫と闘い、友人の霊と語り、筏に自らを縛り付け、人喰い人種の島を恐れ、巨大な海亀に出会いつつ、極限的な飢えと渇きの果てに祖国に生還した彼を待ちうけていたものは…。