1993年12月15日発売
巨万の財産とCIAで身につけた殺人技術を武器に闘う謎の美女トモコ。国籍を失ったために巻き込んだのは、対照的な風俗ギャル智子。ふたりだけで日米複合秘密組織が牛耳る米軍、情報部、警察、ヤクザと対決し、アメリカ大統領記者会見の場へたどり着けるのか?日本を戦場と化すハードボイルド長篇。
倉脇総理のもとへ「殺」と一文字のみの速達が届き、黒木豹介は調査を開始する。謎の伊賀忍群に襲われた黒木は三重県名張へ急行するが、「復讐」の声と凄絶な山岳戦が黒木を待ちうけていた。「復讐」とは何を意味するのか?そして陰ながら黒木を守る謎の美女の正体は。終りなき戦いを描く大人気シリーズ。
節を屈せず、茨の道を歩んだ主人公たちのそれぞれの生涯ー。悲業の死を遂げた生粋のアナキスト大杉栄、女性の尊厳を貫いた柳原白蓮、足尾銅山の悲惨を訴え続けた田中正造ら六人の生き様に深く共鳴する著者が、時の権力や権威におもねることなく、不屈の信念で生きた彼らの人生の光芒を描く迫真の人物列伝。
商用でソウルに飛んだ野上は機中で美女と知り合う。彼女の助けで商談も順調に進み、有頂天の野上は地元の女性と一夜を共にする。だが翌日、その女性が惨殺され、野上は殺人容疑で連行された。一夜を境に天国と地獄。野上は罠にはめられたのか?また紫水晶にからむ秘密とは?愛の悲劇を描く推理傑作集。
父親の仕事の都合でルイジアナ州バトンルージュで暮らす日々を、両親や周囲の人々、風物を少年の目を通して書きとめた新しい形式の短編集。深南部に住む異邦人としての非適応感覚をクールに、しかしユーモアも交えて捉えた意欲作。野間文芸新人賞受賞の表題作に、群像新人賞受賞の『ジパング』を併録。
シアトルを拠点に躍進するハイテク企業ディジコムは、四日後に控えた巨大コングロマリットとの合併を前に大きく揺れていた。革命的な新商品として売りだす予定の高速CD-ROMプレイヤーは不良品が続出、仮想現実シミュレータの開発も暗礁に乗り上げている。これらのトラブルが発覚すれば、合併契約が流れることは必至だ。そんな折り、製造部部長のサンダーズは突然の人事異動を知らされる。自分がおさまると思っていた統轄責任者のポストに、なんとかつての恋人だった女性が就任することになったのだ。しかも就任当日、彼女は自分のオフィスにサンダーズを呼びつけ、セックスを強要してきた。妻子あるサンダーズは拒否するが、翌日、反対に彼はセクシュアル・ハラスメントの加害者として告発されてしまう-。常に時代を先取りしてきた鬼才クライトンが、セクシュアル・ハラスメント問題をテーマに据え、社内で熾烈なパワーゲームが展開する企業を舞台に描く、注目の大型エンターテインメント。
仏から六トンもの核物質を搬ぶため、最新鋭輸送船「ふげん」が横須賀を出港した。核物質の戦略的価値に注目し、原油価格の高騰を目論む産油国経済官僚の秘密組織はバックィン大佐の傭兵チームの「ふげん強襲計画」にゴーサインを出す。一方、このアラブの動きに警戒感を抱いたモサドは自衛隊特殊部隊と接触する。各国の思惑が錯綜し情報機関の暗闘が続く中、核を載せた「ふげん」がフィリピン沖で攻撃を受けた。
台湾海軍の新鋭原子力潜水艦の協力を得たバックィン大佐率いる傭兵チームは核物質輸送船「ふげん」占拠に成功する。護衛の海保ヘリの反撃に続き、イスラエルの特殊工作船「シバの女王」号の強襲を受けるが撃退。ついに頼みの綱は陸・海・空の自衛隊のみとなった。革新政権の初代女性宰相神崎は、愈々自衛隊特殊部隊に出動を要請する。巨大な迷路のような輸送船で繰り広げられる死闘の行方は。
旗本屋敷で家来が斬殺された。手に握られていたのが“いそぎしたため参らせ…”との巻き文の断片。手跡は典雅、古風。この文の主は?目付の依頼で文を手にしたまん姫様、莞爾と微笑み、自信をこめて下した鑑定はー、最高の教養をもつ女性、恐らくは遊廓の太夫か。推測が的中し、面会した式部太夫は、だが何も語ろうとしない(第一話艶書)。将軍ご息女、美貌の姫君のやんちゃ捕物帖。
ふくろう隊こと特別自由捜査室で発砲事件発生。メンバーの一人・大門太郎が殺されたといって銃を手に駆け込んできたのはAV女優の早舟まほ。なんと大門と共演していたというのだ。勘違いだと分ったものの、彼女は別の殺人事件を目撃していた。三国銀行の女子行員の愛人で、友愛銀行の支店長がひき殺されたのだ。両銀行に合併の噂があることを知ったふくろう隊は捜査を開始する。長篇ユーモアミステリー。
あることで気落ちしていたあなたは、自らを励まそうと、幼馴染みの真澄に誘われるまま、怪奇幻想文学作家・故鳥飼征流の住んでいたベルギーの古城で、夏休みを過ごすことにした。しかし、楽しいはずの旅行も、いつしか異様な連続殺人という惨劇に擦り替わっていく。それは、あなたが謎の少女を目にした瞬間から始まったのだった…。古城にまつわる戦慄の秘密とは。鬼才が二人称で綴る、奇想推理長篇。
1944年、連合軍はノルマンディー上陸作戦を敢行した。だが、この名高い作戦の陰で英国女性工作員と空軍司令官が数奇な恋物語を繰り広げたことはほとんど知られていない。女の名はリフカ。男はハリー。独軍の爆撃を受けた列車内で命を助けられたリフカは、いつしかハリーに淡い恋心を抱く。やがて彼女は極秘指令を言い渡される。独軍占領下のフランスで消息を絶った彼を見つけ次第、殺害せよとの命令だった。
僕の名前は東城弘夢。霊感体質といおうか、道端で霊を拾ってしまうのが特技の高校生。そんな僕がある日拾ったのは、生前の想い人を探す少年の霊だった。不本意ながらも人捜しならぬ霊捜しをするハメになったんだけど、捜し霊って、捜し霊って…、男じゃないかー。うわーっ、やめろーっ。ぼっ僕の身体を乗っ取って何を-。霊感少年・弘夢クンのちょっとアブナイ、ラブ・コメディ。
ニューヨークのマンハッタンの一画が、謎のテロリストたちによって占拠された。即座に特別警察隊SWATが、人質の救出とテロ鎮圧に向かったが、スティンガーミサイルや対戦車ロケットなどで強力武装した敵によって全滅させられてしまった。事態を重くみた市当局は、日系三世ハリソン・国泰寺の率いる対破壊工作班を投入したが…。摩天楼が炎上するなか、生き残りを賭けた男たちの凄絶な闘いが始まった。