1993年3月10日発売
ネコババのいる町でネコババのいる町で
わずか三歳で、ロスアンジェルスから一人で日本に送られた恵里子。実の母に捨てられたショックで一時的な失語症に陥ってしまうが、ある日、隣の「ネコババ」の家で突然言葉を取り戻す。生みの親よりも「本当の家族」となった祖母と叔母に育てられた多感な少女が観た人間模様を描く芥川賞受賞の表題作ほか二篇。
サクセスサクセス
大作『ロンドン・フィールズ』が英米でベストセラーになり一躍注目された大型新鋭エイミスが描く現代版『王子と乞食』。金持ちのダンディと下層階級出身の若者の立場が一人の女性の出現で逆転していく-鋭いウィットと生き生きした語り口にのせて展開する、現代イギリスの性と階級をめぐる寓話。
義経の首義経の首
平安末期、奥州の地に、都に劣らぬ平泉文化を築いた藤原氏が、なぜ義経をかくまったのか。そしてまた、衣川の高館に義経を襲い、その首を40日以上もかけて鎌倉へ届けたのはなぜか?特捜検事・室井と義経の謎に挑む女子大生・速水直子の到達した結論とは…。斬新な視点から日本史の謎に迫る歴史ミステリー。
ジェラシ-(上)ジェラシ-(上)
精神科医に異常なまでの愛を注いだ元患者が、嫉妬に狂い描いた復讐のシナリオ。愛の究極の姿なのか、盲執なのか。花ことばに激しく燃える想いを映し、女の情念が静かに忍び寄る。愛の裏側にひそむ嫉妬ほど、怖いものはない-。
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