1994年10月25日発売
好色屋西鶴(第1部)好色屋西鶴(第1部)
才筆、栗本薫が描きつくす色と欲の浮世の真実。好色極まる人気俳諧師、井原西鶴は、遊女夕霧と深くなじむ。彼女は恋人・世之介と心中して生き残り、遊女になった女だった。交わりの最中、その世之介の影が浮かび上った…。
君子蘭君子蘭
明治のおわり。群馬県前橋市のちいさな織物屋の末っ子として、裕福ではないが暖かい家庭で育った小野沢智和。進学の夢をあきらめきれない彼は、東京本郷にある老舗の茶問屋・南条家で書生をしながら、一高へ通うことになる。智和が仕えるのは、帝大へ進む貴臣という涼しげな切れ長の目が印象的な青年であった。旦那様にも奥様にも似ていないような、怜悧な美貌の-。周囲を拒み憑かれたように勉学する貴臣に、慈愛と尊敬を込めて仕える智和であったが…。
PREV1NEXT