1994年4月5日発売
元警察官で探偵事務所を開業する橋本のところに、奇妙な位頼が舞い込んだ。廃線となった広尾線幸福駅の切符を買い、駅の壁に絵馬をかけて来い欲しい、というのだ。切符を届けに位頼人の部屋に入った橋本を待っていたのは、飛び散る血痕と、事件を捜査している十津川警部だった。表題作他4編の傑作短編集。
長い年月の底に沈澱した複雑怪奇な人間模様、エゴと欲望に憑かれた男女の群れ…。病院再建に取り組む医師を待ち受ける、怖るべき陥穽と陰謀。日本最大規模の福祉法人の秘められた荒廃をミステリアスに描き、福祉の未来を問う衝撃の書き下ろしノンフィクション小説。
V・I・ウォーショースキー、キンジー・ミルホーン。今やミステリーは女探偵の時代。しかし、かつて探偵は男の専売特許だった。1864年、女探偵が初登場。南北戦争時の10セントノベルから、本格ミステリー、ハードボイルド、サイコサスペンスまで、120年間300冊に描かれた女探偵を徹底分析する。彼女たちの犯罪解決法は?仕事と私生活は?恋愛と結婚は?物語にうつしだされた女性像を解き明かし、新しいミステリーの可能性を提示する、刺激的な評論。
カレン・ニューマンはニューヨークに住む有能な会社役員。ハロウィーンの夜、彼女は娘と電話でおしゃべりを楽しんでいた。ところが、その途中で娘の家にチンピラ集団が押し入り、残忍なレイプのあとで娘を殺害する。この犯罪の一部始終を電話で聞き、伝聞証人となったカレンだが、アメリカの法は彼女に冷たかった。カレンはやがて、実質的に犯人を守ることもある法に業を煮やし、自讐という考えにとりつかれていく。かつて、ほのかな恋心をいだいたFBIマンを敵にまわし、みずからスパイとなってまで、自讐活動にのめりこむカレン。はたして、その行く末は…。都市暴力に悩まされる現代女性の心理をこまやかに描く、サイコロジカル・サスペンス・スリラー。
29歳のハンサムな青年クリシュナン・ヘムカー通称サニーは、LAの病院に医学実習生として勤務しているが、実は彼がアラブ系テロリストであることは誰も知らない。その彼のもとにある日、電話が入る。「ニューヨークにアパートが見つかったわ」長年待ちわびた任務遂行の日がついに来たことを悟ったサニーは、すぐさまニューヨークに向かい、次の指示を仰ぐべく新聞広告で見つけた司令塔の女性の部屋を訪れる。「7月1日に行なわれるカナダ自治記念日の祝典か、あるいは7月4日の独立記念日に自由の女神像の前で行なわれるセレモニーのどちらかで、彼を仕留めるのよ」そう言って渡された1枚の写真。そこに写っていたのは…。超高速テンポで読ませる暗殺スリラー。
ベッドでみつけた博美の股の付け根にある親指大のヤケド。以前、グレていたときチンピラに入れ墨されたので、タバコの火で焼いた跡だという。鈴木はビビる気持を鎮めて、その傷にキスをした。なんといっても銀行の渉外係の彼にとって、博美は毎月定期預金を積んでくれる客なのだ…。ホステスから人妻・OLまでを狂わす銀行マンの巨根と絶頂テクニック。
鳴尾は美麻子の極孔に指を沈めたまま浅く深く抜き差しした。彼女がレズだと確認できた瞬間から挑発された気分になっていたのだ。眼鼻立ちが整い、いい体をしていながら、女とばかりもつれあっているのかと思うと、男として沽券にかかわる気がしたからである…。六本木でカフェバーを経営する中年プレイボーイ・鳴尾の美少女調教の官能テクニック。