1994年5月16日発売
森の人森の人
欲望が種を発芽させ、希いは光にむかって葉をひらかせる。作中人物それぞれの思いの照り返しを受けて繁茂する、緑なす木々たちの肖像。芥川賞、三島賞に輝く著者が、樹木をキー・イメージに放つ物語の群落、出色の10篇。
芭蕉庵捕物帳芭蕉庵捕物帳
時は天保・元禄の世、次々と起こる事件を前に、俳諧師・桃青こと松尾芭蕉の助けを借りて、同心・笹木仙十郎の推理が冴える。大老堀田正俊刺殺事件、赤穂浪士の討ち入りなど史実を舞台に、芭蕉の発句を一人ごちる、仙十郎の胸に去来するものは、人の世のあや、浮き沈み。
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