1994年5月6日発売
恋人との休暇旅行を直前に控えた刑事フィオーナを現場に引きもどしたのは、妊娠中絶反対の立場をとる女性下院議員フランキーの死。状況は“自殺”を指し示す。ところが、フィオーナの上司エッグプラントの第六感は“他殺”を主張する。捜査を進めるうち、関係者の意外な実像が見えてくる。解剖の結果、フランキーは妊娠していたことが判明。形だけの夫婦となっていた夫からは、離婚を迫られていた。影のように付き従っていた第一秘書は、どうやらゲイらしい。政都ワシントンにうごめく人々の虚と実。愛と背信。フィオーナ自身も背信を秘めたまま、事件捜査にあたる。はたしてフランキーの恋人は誰だったのか?胎児の父親を探せば…犯人がわかる。
トランス状態で小説を書く大学教授ランドル・エリオットは、いまや話題の作家。次期ピューリツァー賞候補との呼び声も高い。しかし、本人すら知らないことだが、彼の著作はどれも妻メアリが書いたものだった。メアリは四児の母で専業主婦。影の作家に撤して二十数年、精神障害を持つ夫にかわって家族の暮らしを支えてきたものの、自分の名前で堂々と本を発表したいという思いはつのるばかり。そんなある日、ランドルが事故死。メアリに転機が訪れる。そして、ランドルに心酔する年下の学者ポールとの恋。すべてが順調に運ぶかに思えたが…。『愛がこわれるとき』の作者ナンシー・プライスが、ひとりの主婦の苦悩と自立を描いたサスペンス長篇。
テキサス州の高地砂漠地帯にあるグアダルーペ山脈国立公園。初夏のある日、女性レンジャーのシェイラ・ドゥルアリーが、悲惨な遺体となって奥地で発見された。発見者はピューマの生態調査をしていた同僚のアンナ・ピジョン。遺体には、動物の爪跡と噛み跡が、現場周辺の地面には大型獣の足跡が残っていた。警察と公園管理局はピューマのしわざと断定し、狩猟チームを編成した。だが、アンナは不自然な足跡に疑問を抱き、犯人はピューマではないと主張する。手を下したのは人間だ。独自に捜査を進めるアンナは何者かに命を狙われた。なぜシェイラは死ななければならなかったのか。アンナは公園に隠された邪な真実にたどりつく。ピューマと自然と動物を愛する女性レンジャーが、雄大な国立公園を舞台に繰り広げる自然派ハードボイルド。
百戦練磨のソープ嬢たちがほめちぎる欲棒を持つ加賀が始めたAV製作会社。主演に超人気のAV女優を狙った加賀は、自慢の業物を奮い立たせて絶頂攻撃。女体の濃密な香りとあふれ出る蜜液に酔う加賀と、恍惚の境地に到達し全身を激しく震わせる女。二人がクライマックスに達した時、AV女優との契約は結ばれた。だが加賀にはまだまだ欲棒を使った商談が…。