1994年発売
ここは英国のカントリーハウスの一室。一堂に会すは、退役大佐、伯爵夫人、神父、英国の大富豪、等々。この中に冷酷な殺人犯が潜んでいるのだ…と思いきや、実はここは老人ホーム。殺人などは起こっていない。すべては探偵小説好きの老女の妄想なのだ…と思いきや。英国ミステリ界きっての俊英が贈る、才知とたくらみに満ちた本格ミステリ。
縄田一男氏をして「逸品との心踊る邂逅。剣の修羅場を通して瞬時にして結ばれる高誼を、実に巧みに、そして確実に描いている」と評させた宮本昌孝。続刊を心待ちされた第二巻も、期待に違わず気合の篭った作品に仕上った。多言は無用。義輝の雄渾孤高の旅へいざ。
生体肝移植者が瞬時に老化し老衰死した。臓器移植企業クレアが開発したドナーアニマルが逃走し、弟子屈に現れた。道警本部刑事課長補佐の時、クレアに接触し左遷された摩周署防犯課長豊城警部は、世界新聞記者を偽称する軍畑泰司と組み、秘密保持のためドナーアニマル抹殺を企む巌童勉と部下のジラフに挑むが…。
〈夢宮殿〉、それは帝国中の臣民が見た夢を集め、選別し、解釈する調査機関だった。毎週金曜日には、帝国と君主の運命に関わる〈新夢〉が皇帝のもとに提出されるのだが…アルバニアの鬼才が描く迷宮の現代文学。
ある町で、ある外科医が妻を殺し、バラバラにしたその体の一部を四人の子供の体内に埋めこんだ。幼いころ、そんな奇怪な事件の話をしてくれたのは、三十年間の失踪から戻って死の床に伏していた祖父だった。いまわたしは裕福な中年となり、ここパラダイス・モーテルで海を眺めながらうたた寝をしている。ふと、あの四人の子供のその後の運命がどうなったか、調べてみる気になった…虚実の皮膜を切り裂く〈語り=騙り〉の現代文学。
なにか、おかしい。壁にかかった懐かしいこの写真も、愛読していたベッドの上のこの本も、覚えてるのとは違ってる。まるで、記憶が二重になってるみたい。そう、ことの起こりはたしか十歳のとき。大きな屋敷にまぎれこんだら葬式をやってて、そこでひょろっとした男の人、リンさんに出会って、そして、なにかとても恐ろしいことが始まって…少女の成長と愛を描く現代魔法譚。
17世紀のイギリス、いわゆる「名誉革命」の時代。王政復古したイギリスの国内では、深刻な政治的危機がうまれていた。イングランドとスコットランドの抗争、王権と議会の対立、そして宗教闘争…。あらゆるものが絡み合った激動の時代を背景に、非業の死をとげたスコットランドの勇将クレィヴァーハウスの運命を通して、歴史のなかで生き、成長していく人間の営み、人間の「尊厳」を描く。
本書は、児童文学の第一線の研究者らが、現代を代表する作家の作品とその論評を種々取り上げて編纂した格好のテキスト。また、これから児童文学に初めて接しようとする人の入門書として、さらに児童文学作品の資料研究としても充実した内容となっている。
まだ初々しい秘口に電動バイブを、アナルには浣腸器、そして尿道口にはカテーテル。穴という穴に淫獣の欲望を捩り込まれる美人教師・るり子。希望を胸に赴任した学園には淫魔と化した教頭が待ち受けていた。罠にはめられ、被虐の官能に悶す狂うるり子。だが、それは新たな淫虐の序曲にすぎなかった…。