1995年10月30日発売
嘘吐き嘘吐き
突然訪ねてきた女が、一枚の写真を示し、左端の男の消息を知らないか、自分は妹だが六年前から探しているのだという。場所は彼が通った大学だが、その男についての記憶はない。そう告げると、女は「嘘吐き」と強い口調で決めつける。彼はアルバムや卒業名簿を調べたり、現在は退職している同級生に電話をかけてみたりするのだが…。日常の微妙なずれにからめとられた十人の男を描く短編集。
罪の段階罪の段階
人気女性キャスターがベストセラー作家を射殺、正当防衛の弁護を引き受けたパジェット弁護士。殺人現場で発見されたテープをめぐる検察側との攻防。そのテープから生々しく甦る、あの大女優の声、明らかになる、20年前の彼女の自殺の忌まわしい真相。そしてそのテープが、彼自身の運命の大きな落とし穴になろうとは-全米を興奮させた大型法廷サスペンス。
アルブキウスアルブキウス
古代の神々はすでに死に絶え、キリストはまだ現われず、ただ人間だけが存在した、紀元前1世紀の古代ローマ。現代の都市にも似た、猥雑で喧騒の渦巻くローマの街を舞台に、美しく残酷な物語を書き続けた男がいた-その名はアルブキウス。風変わりな作家の生涯を縦糸に、荒々しい人間の葛藤劇を復元し、目も眩むエロティシズムの魅力溢れる小説となした、現代フランス文学の最前線にして超古典的な傑作。
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