1995年12月5日発売
混沌都市(ケイオスシティ)・新宿。超高層ビルの陰に生じた闇の舞台では、今まさに怪異な事件の幕が開かんとしていた。自ら大鴉博士と名乗る怪人からの大胆な犯罪予告。立ち向かうは未知の科学力を持つ不思議の少年蘇芳から、秘密道具を託された異能の中学生四人。果たして勝敗は。田中芳樹氏推薦の新冒険シリーズ第二弾。
嵐の中、義妹と共に山道に迷い込んだシナリオライターがたどりついたのは、山奥の古い洋館だった。世間から遠く離れて暮らす美しい5人の姉妹とメイドだけが住む不思議な館。そしてなぜか次々と姉妹たちが現われては、美しい肢体を使って誘惑してくる。そんな彼女たちやメイドに絶対的な権力を振るう、美しい謎の女…。館の人々の正体とは何か。彼らの目的とは何なのか。名作ゲームをもとに、新たなストーリーを加えてパワーアップした傑作アドベンチャー。
パリ郊外、低家賃団地が建ち並ぶ街サルセル。団地の人びとは誰もが鬱屈した思いを抱き、少しずつ常軌を逸していた。異常なまでに秩序にこだわる刑事シュナイダー、二重人格のその妻フランス、1日中、ラジオやテレビをつけっ放しにしている「ニュース狂い」の青年、九官鳥に人種差別的な言葉を教えこむ老人、巨大な双頭の鯉と格闘する下水道の掃除人、そして軍隊からごっそりと手榴弾を持ち出した志願兵のジャン・イヴ。パリの街に次々と手榴弾が炸烈する。事件を追うシャナイダー刑事の胸に抑えがたい暴力への衝動が突きあげる。そして妻のフランスの心の中では、別人格「娼婦のマギー」が死に、「ブラッディ・マリー」が現れる…。病めるフランスの現代社会を映し出した衝撃の作品。仏ミステリー批評家大賞受賞。
いまを去る四百年前、宗教戦争の嵐が吹きあれた16世紀末ヨーロッパ。-腕ききの印刷職人はどこへ姿をくらましたのか。本の都市リヨンで徒弟として修業をかさねた若き植字工アベルは、ジュネーヴで夢にまで見た印刷工房の親方となった。しかし、美しく奔放な妻マルゴを雇いの刷り工に寝取られ、波瀾万丈の遍歴の旅がはじまる…。本づくりに情熱をもやした一人の男の浮き沈みのはげしい生涯を追い、ルネサンス末期の出版文化をになった人びとの魅力あふれる世界を活写する、秀逸な歴史小説。