1995年2月1日発売
交通事故で亡くなった父の跡を継ぎ、京都の葬儀社をきりもりする女社長石原明子。ある日、テレビ出演も多い著名な大学教授から葬儀の依頼を受けた。夫人が急死したという。完璧な死亡診断書も添えられていた。でも…。明子の抱いたかすかな不審が、やがて遺族の意外な舞台裏を照らしだしてゆく表題作ほか、華麗なアリバイ崩しで死者を葬う〈葬儀屋探偵〉明子、颯爽デビューの3篇。
僕、西岡悟郎は28歳独身。警備保障会社に勤める、まったく普通の人間だった。あの日までは。あの8月2日の夜、一体僕に何が起こったのだろうかー僕の新しい職場は山梨の小さな村、新興宗橋の道場の警備だった。ところが道場が火事になった教祖が死に、職を失って東京に戻ると僕に異変が起こった。僕の頭の中に誰かがいるのだー井上夢人のデビュー作、多重人格ミステリー。
高校時代の親友である立子と衿香は、インテリア・コーディネーターと、ファッション・コーディネーターとして、お互い励まし、競いあいながら第一線で活躍していた。しかし二人の行手には、人間関係の罠や悪意に満ちた仕事への妨害など、思いがけない障害が次々と待ち受けていた。その上、衿香のピルケースの中身がすり替えられ、大型車に追いかけられ…。新鮮なサスペンス・ロマン。
南地中海の各地で頻発する若い女性の失踪事件。その陰には、ブロンドの美少女を生贄に捧げるという秘密結社の暗躍があった。結社名は《ブルー・リング》。一方、元傭兵クリーシィの養子マイケルは、生き別れになっていた母親と《ブルー・リング》の関わりを知り、謎の組識の解明に乗り出すのだが…。「パーフェクト・キル」に続き、覆面作家が放つクリーシィ・シリーズ第3弾。
連続52を惨殺した史上最悪の大量殺人カップル、ミッキー&マロリー。行く先々で殺戮を繰り広げながら逃亡を続ける二人を野性刑事ジャック・スカグネッティとTVレポーターのウェイン・ゲイルが追う。次第にメディアの寵児と化していくミッキーとマロリーは神の化身かそれとも悪魔の代理人か。タランティーノ原案、オリバー・ストーン監督による同名映画のノヴェライゼーション。
ノースは勉強もスポーツも万能という模範少年、たった一つの不満は、仕事一途の両親がちっとも彼の話を聞いてくれないことだった。そんな彼が思いついた解決策とは。理想的な親を求めてフリーエージェント宣言をしたノースは、世界中を旅して回るー。パパやママと心から話をしたいと思っている君たちと、我が子がさっぱり分らないと嘆くあなたに贈る、心暖まる話題作。
フロリダ沖で漁船がUボートらしき潜水艦と遭遇、沈没するという事件が報告された。調査に向かったのは米海軍駆逐艦ゴールズボロ。艦も老朽艦なら、艦長のモントゴメリーも頑固で狷介な変わり者。軍は事件を全く重要視していなかった。だがUボートと思われたのはリビアの潜水艦アル・アクラブだった。空爆を行った米空母コーラル・シーに報復するためフロリダに潜入したのだった。
調査ではコンタクトの証拠こそつかめなかったものの、モントゴメリーは確信していた。潜水艦は必ずいる。ゴールズポロとアル・アクラブの虚々実々の駆け引きが始まった。姿を見せないアル・アクラブはどこかでコーラル・シーを待ち伏せしているに違いない。コーラル・シーは護衛艦なしでメイポートに戻っくるのだ。今や空母を守れるのはゴールズボロしかなかった。
ギャビィはどこにでもいる普通の主婦だった。会社重役の夫に可愛い一人息子。何不自由ない生活を送っていたが、突然夫が愛人の元に去って、全ては一変した。息子も夫に味方した為に、彼女は失意の余り家を出た。一人で生きる決心をし、過去を偽って飛び込んだのはNYのオークション業界。華やかなイメージとは裏腹に、成功と挫折が背中合わせの激しい競争が繰り広げられる世界だった。
フランス人の母から受け継いだ語学力と卓越した記憶力。眠れる才能を開花させたギャビイは一流のアンティーク・ディーラーとなる。そして才気溢れる建築家マックスとの出会い。ビジネスの成功に加え、今度こそ真実の愛を掴んだかに見えたギャビイだったが、偽りの過去に対する心配は消えなかった。やがてそれは現実のものとなりー。波瀾万丈のストーリーで綴る華麗なるロマンス。