1996年10月4日発売
憂鬱なる党派(上)憂鬱なる党派(上)
大学を出て七年、三十歳を過ぎた西村は、平穏な職場と家庭を捨て、書きためた原稿を抱えて昔の友人たちの前に現れる…革命の理念のもと、警官隊との激突、火焔瓶闘争、ハンスト、党派抗争、リンチ事件と激動の青春時代を共にした旧友たちは、いま何を考え生きているのか。
北の愛人北の愛人
あのひとが何年もまえに死んだと人づてに聞いた。「…」あの中国の男の死、あのひとの身体の死、あのひとの肌、あのひとのセックス、あのひとの手の死が起ころうなどとは想像もしていなかった。-その知らせを契機にデュラスは『愛人』で語られた物語を根本的に考え直す。狂おしいほどの幸福感とともに書きすすめられたのが、もうひとつの“愛と死の物語”『北の愛人』なのである。
チリの地震チリの地震
古典主義とドイツ・ロマン派のはざまで三十四年の凄絶な生涯を終えた孤高の詩人=劇作家クライスト…。カタクリスム(天変地異)やカタストロフ(ペスト、火災、植民地暴動)を背景とした人間たちの悲劇的な物語を、完璧な文体と完璧な短篇技法で叙事詩にまで高めた、待望の集成。貴重なエッセイ二篇を付し、今はじめてこの天才作家の全貌が明らかとなる。
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