1996年2月1日発売
江戸始まって以来の大奇人にして博識無双の平賀源内先生。謎に包まれた事件に手も足も出ない神田の御用聞・出っ尻伝兵衛のたっての頼みで、おもむろに解決に乗り出すが、さて結末やいかに。オランダ渡りの知識や奇想天外の推理で、事件の核心に迫る源内先生の痛快無類の捕物帳、初の文庫化。
エースパイロットを夢見るイサム。自らが持つ“血の恐怖”におびえながらも懸命に生きるガルド。学園の歌姫から、宇宙のアイドルへの階段をのぼり始めたミュン。3人の男女を中心に織りなす青春群像を、みずみずしいタッチで描いた『マクロス』シリーズ異色作がノベル版で登場。
加賀百万石。藩祖前田利家は没し、利長が家督を継いでいた。最大の大名勢力である前田家を陥れるための幕府の陰謀は秀忠の次女の輿入れで始まる。幕府はお付人という形で公然と五百名の手兵を加賀城下に送り込んだ。利長の居城が付け火に遭い、混乱に乗じて数名の剣客が利長を襲う。-ついに利長は立ち上がった。百万石に命を賭けて徳川の野望に立ち向かった男を描く時代長編。
都会暮らしからレイドバックして、大阪西北端の山林に暮らす竜門卓。彼の生業は行方不明になった猟犬を探すことだった。そんな彼のところへ失踪した盲導犬の行方を突き止める仕事が舞い込んだ。依頼者は名家の令嬢。目の不自由な彼女にとって唯一の心の支えだった犬だ…感動的なラストシーンが用意された表題作はじめ、“男の贈り物”をテーマにした五編を収める短編小説集。
199X年度「ノーベル賞」には微かな腐臭がしたーイギリス医学界の重鎮が受賞した「医学・生理学賞」の周辺に不自然な死が多すぎるのだ。故あって、恩師の死因を探っていた青使医師・津田は、賞を巡る“論文剽窃”の疑惑と“見えざる凶器”の存在を知る。しかし真相を握る医学研究者は重度のアルコール依存症に陥っており…。現役医師にして山本賞作家が放つ、傑作サスペンス。
夏期合宿のため双葉山を訪れた親睦団体「TCメンバーズ」の一行。人里離れた山中での楽しいサマーキャンプは、突如出現した殺人鬼によって、阿鼻叫喚の地獄と化した。次々と殺されてゆく仲間たち…手足が切断され、眼球が抉りだされ、生首は宙を舞う。血塗れの殺戮はいつまで続くのか。殺人鬼の正体は。驚愕の大トリックが仕掛けられた、史上初の新本格スプラッタ・ホラー。
老父母と同居することになった森本代志男には妻の他に大学受験を控えた長男と高校生の長女がいる。穏やかな核家族に突如、闖入した老父母。寝たきりの老母タツは痴呆症が進み、妻に負担はのしかかる。子供たちも祖父母には冷たい目しか向けない。無力な自分に苦悩する代志男ー。そしてタツが扼殺される。家族を崩壊にまで至らせる老人介護の深刻な状況を克明に捉えた衝撃の問題作。
右足にダンスシューズ、左足はブーツという奇妙な死体が発見された。15年前にも同様の事件があり、犯人は捕まっていない。一方、TVプロデューサーのノーナは、デート相手を募集する個人広告の実態を探る番組を企画し、親友2人を実験に誘っていた。彼女たちは様々な相手と時を過し、結果を報告しあうが、宝飾デザイナーのエリンがあるデートのあと姿を消してしまう…。
ジンバブエで愛娘を殺された米国の女大富豪の依頼で、かの地に飛んだクリーシィ一行は、殺害者の黒犀密猟業者を斃すが、クリーシィの養子マイケルも深傷を負った。かたや香港では、黒犀の角から造られる回春剤の、発癌性を告発しようとした医師が惨殺されていた。両事件の背後には、香港の凶悪な犯罪組織の影が。クリーシィ達の緻密な討伐作戦が始まる…。緊迫するシリーズ第4弾。
1944年春、英国内で活動をつづけるドイツ屈指のスパイ、暗号名「針」は重大機密を入手した。大戦の帰趨を左右する証拠フィルムを携えた彼は、自らヒトラーに情報を届ける決意を固め、盗んだ漁船で単身、祖国に向かう。だが、船は嵐のなかで難破。漂着した北海の孤島に暮らす夫婦が、「針」の運命を塗り替えてゆくー。鬼才が弱冠29歳で打ち立てたスパイ小説の金字塔、新訳で登場。
犯罪心理学者のヘレン・ハドソンは、連続殺人鬼のカラムに命を狙われて以来、広場恐怖症になり、部屋に籠もって怯え暮らしてきた。サンフランシスコ市警の辣腕女性刑事モナハンは、再び起きた女性連続殺人を解決する糸口を探していたー。モナハンの要請で、連続殺人の手口を分析したハドソンは、不気味な事実に気がついた。誰かが過去の異常犯罪の手口をコピーしていることに…。
江戸南町奉行より密命を受け、裏探索方を務める内与力の早乙女源六は、配下に定町廻り同心筧彦七、岡っ引き甚八ら六人を従えていた。その源六らが、妙な事件に巻き込まれる。一刀のもとに斬殺された死体を発見するが、辻斬りの目的は物盗りではなく大小の抜き身にあり、しかも次々と襲われるのは薩摩藩士だった。何故刀を。やがて、刀に隠された真相と謎の集団を追って、源六たちは京へと上る。長篇本格時代小説。
学校を守護するような大きな桜の下で出逢った少年二人、修司と圭。互いに想い互いに避け、絡み合わない小さな恋。この恋は君が語る前に僕が語らなければ始まらない。だからがんばって。いつも桜は恋する少年達を守護している。いつか恋する人に追いつこうとがんばっている少年も。いつまでも恋する人を忘れられずにがんばっている少年も。春原いずみが貴方に贈るオムニバスラヴストーリィ。
兄への禁じられた恋を忘れたいが、忘れられない。そんな想いに押し漬されて苦しむ樹と、それを見守る巧。2人の前に兄と似た裕之が現れて動揺する樹に迫る。脳裏に8年前の過去が甦る。この想いから逃れる事はできないのだろうか。苦しむ樹の秘められた力が裕之を傷つけた。この力がすべていけないんだ-錯乱した樹を巧は救えるか。そして樹の想いはどうなるか。藤隆が貴方に贈る純愛物語。