1996年3月20日発売
名刀乾雲丸と坤竜丸。離れれば互いに求めあい、持つ者を殺人鬼と化す宿命の妖刀だ。その一つが小野塚道場の俊才・諏訪栄三郎の手に、一つが二刀獲得に異様な執念を燃やす片眼片腕の怪剣士・丹下左膳に渡ったときから、大江戸の夜は血に染まる。乱闘に次ぐ乱闘に恋のさやあてもからみ、急展開するスリル満点の物語の興奮。映画でもおなじみ、大衆小説屈指のスーパー・ヒーロー、いよいよ登場。
長い五寸のくわえ楊枝に三度笠も懐かしい、上州無宿の渡世人・木枯し紋次郎が帰って来た。時は嘉永三年、股旅生活にさらに十年の歳月を加え三十九歳になった紋次郎が、十年前の浮世の義理に身を阻まれて、珍しく上州中仙道は板鼻宿最大の旅籠花菱屋に逗留し、遭遇した事件の数々。一世を風靡した孤高の渡世人・木枯し紋次郎の長脇差が翻る傑作連作小説集。
フツーの家族のフツーじゃない愛のカタチ。宮内家はどこにでもいる四人家族、なんだけど-神戸で「話し屋」として働くママは、誰よりパパを愛しているのにパパだけじゃ我慢できない困ったヒト。パパは誰かに恋して輝いてるママを包み込む大人の男だけど、若い女の人にフラフラしたり。高校生の明彦は女の子が放っておかないルックスにも関わらずホモセクシャル。中学生の美香は「大人の恋愛」に憧れてはいるものの、恋に恋するお年頃。ある日、美香はママの長電話から「ママの恋愛」を知る…。
「一ヵ月8kg減で、誰もが理想体重に」ダイエット美女を決める最終選考まで、あと二ヵ月。夏のヒロインを選ぶコンテストの幕が開いた。今度こそ、絶対に生まれ変わってみせる。痩せてみせるわ。たとえ「私」を殺してでも…。「あなたは私のことを何も知らない。愛してたなんて嘘よ」そう言い捨てて、恋人は姿を消した。手掛かりを捜すうちに浮かび上がる、恋人の偽りに満ちた過去と、ダイエットコンテストの謎。もし、痩せられなければ、私には、帰るところがないの…。「もう、駄目かもしれない…。今度リバウンドしたら、その時、私は…」デビュー作『僕を殺した女』に続く驚異の第二作。華やかなダイエットコンテストに渦巻く謎と、深まる狂気を描く本格的心理サスペンス。
葛の絡まる古い洋館の主人アシュレイの前に、ある日陸イグアナのバトラーを連れた少年、明生が現れた。すったもんだの末に、アシュレイは下宿屋“おおいぬ荘”を始めることに…。血の気の多い政雄と彼の過去を知る裕幸の二人の下宿人に加え謎の影も現れておおいぬ荘はいつでも賑やか。Wアキラが織りなすハートフル・ストーリーズ。
8年間、真雪を召使い兼おもちゃとして扱ってきた馨が4年振りにアメリカから帰ってきた。もう以前の関係は嫌だとする真雪だが、『何でも屋』の馨にあるカップルから2つの依頼が持ち込まれ、協力するハメに。金につられて引き受けた、一見相反するこの依頼に打つ手はあるのか。