1996年4月30日発売
リバプールの貧しい教区にある教会に、若く美しい司祭グレッグが赴任してきた。強い信念を持つ彼は、先輩の司祭が女性と同棲していることに憤りを覚えるが、ある夜、彼が向かったのはゲイたちが集まるディスコだった。そんなある日、告解でリサという少女から父親との近親相姦の悩みを打ち明けられる。グレッグにできることはほとんど何もなかったが、このことが彼自身の秘密の暴露へとつながってゆく…。全米でカトリック教会をボイコットに立ち上がらせ、ついにローマ法皇が抗議の声明を発表した衝撃の問題作。
栗村夏樹は都内の短大生で剣道三段の腕前。自宅近くの警察署の捜査一係・牧田刑事から電話がかかり、夏樹の友人・桂木亜沙美が誘拐され、身代金一億円を要求する脅迫状が、ファックスで届いたという…。’94年『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞したトリック・メーカーの著者が構想二年、満を持して放つトリック&ドンデン返し。「海に沈む夕陽、“殺人者”が若い女性を断崖絶壁に追いつめ、最後の電話をかけさせる」-プロローグに込められた三つの謎とは。読者はこの仕掛けをどこで見破るか。書下ろし本格推理傑作。
退役したメルヴァリー侯爵は、愛人達の裏切りなどで、ロンドンの生活に幻滅してしまい、失意のまま故郷の館へと向かう。その途中、馬場の事故に遭遇するが、その一台に乗っていたクリスティーナという美少女は、侯爵の領地内で乳母と二人きりで暮らしていた。だが、既に両親は亡く、強引な男に迫られて怯えながら過ごす毎日らしい。そんな事情を知った侯爵は、付添い役を捜し、自分の館に引き取ろうと決心するが…。
近未来の東京に奇病が発生した。この病に冒されると、人間は理性を失い、狂暴な衝動にとりつかれ、ついに人間を食らうようになる。女子大生藤原志保が突然、姿を消す。仲間たちは、例の病気にかかって隔離地帯・渋谷に送られたのだろうと噂している。志保の恋人、環は諦め切れずに志保を追って、渋谷に潜入、再会を果たすが…。
話しかけてきた友人がトツゼン目の前で交通事故にあう。夢で見たハンサムな青年がパット現われる。家へ帰ると家族は皆行方不明。なんとも奇妙な一日。ところが、その日から由起子の日常はガタガタ…。行く手にまちかまえる、あなたの知らない不思議な世界、古都鎌倉を舞台に繰り広げられる、怪奇と心ときめくロマン。
大自然に囲まれた豊かな大地アーカトラス。そこには独自の文化を持つメリンジ族の民がいた…。一方アーカトラスを文明のない未開地と呼ぶ大国イーリアで暮らす少女レインは、突然将来有望な医師に熱烈な求婚をされる。きっと幸せになれる結婚なのに…。未知の大地を舞台に、くり広げられる壮大な愛の物語〜「序章」の開幕。