1996年6月22日発売
両親が離婚し、母親と二人きりで暮らす少年リー・ボッツの心の成長過程を、憧れの作家ヘンショーさんへの手紙と日記という手法で描き、「ニューベリー児童文学賞」に輝いた、涙と笑いの心温まる感動の作品。長距離トラックを運転する父親と愛犬バンディットに寄せる思い。転校先で直面する数々の出来事。子どもをとりまくさまざまな問題を、子ども自身の視点からとらえた意欲作として、高い評価を受けている。翻訳家による解説、注釈つき。
電話のアダルト・パーティー・ラインで知り合った、東海岸に住む独身OLのアビィと、西海岸に住むやはり独身の会社員ジム。そんなごく普通の男女が、電話で何時間も止めどないことばの遊戯をくりひろげ、最後に同時にオーガズムに達して電話を切るまでがリアルタイムで描かれる。全編が男女二人の会話だけで構成され、N・ベイカーの緻密でユニークな描写が光る、大ベストセラーの異色テレフォン小説。翻訳家による解説、注釈つき。
夏が過ぎた、季節はずれのジュネーブ湖畔のホテル。大衆小説で有名な作家イーディス・ホウプは、独りそのホテルを訪れた。裕福だがもう若くない彼女は、男性社会の典型的な優等生であったがために、愛のない結婚をしようとし、それから逃れてここへ来たのだった。本当の愛のかたちを探し求めようとする孤独な女性の姿を、透明で硬質な筆致でみごとに描き「ブッカー賞」に輝いた話題作。翻訳家による解説、注釈つき。
スコットランドの長閑な田舎町で嫌われ者の画家の死体が発見された。画業に夢中になって崖から転落したとおぼしき状況だったが、ピーター卿はこれが巧妙な擬装殺人であることを看破する。怪しげな六人の容疑者から貴族探偵が名指すのは誰? 大家の風格を帯び始めたミステリの女王が縦横無尽に紡ぎ出す本格探偵小説の醍醐味。後期の劈頭をなす、英国黄金時代の薫り豊かな第六弾!