小説むすび | 1997年1月31日発売

1997年1月31日発売

鷹の羽音鷹の羽音

魔都ニューヨークへ戻ってきたバークの許に、NY市警殺人課の女刑事ベリンダが会って頼みたいことがあると執拗に連絡してきた。一方、バークは幽霊ヴァンの一件以来、ベリンダと同じ殺人課の鬼刑事モラレスにもつきまとわれていた。バークはとりあえずベリンダに会うことにした。彼女の頼みというのは、連続レイプ殺人犯として逮捕されたジョージ・ピアソルは冤罪であり、それを証明するのに力を貸してくれということだった。彼女によれば、ピアソル逮捕の直接のきっかけになった事件には矛盾があり、署内の人物によって細工が施された形跡があるらしい。しかも驚いたことに、その人物はモラレスだと彼女はいう。バークは弁護士も加えてピアソル本人に会ってみたが、そのときのピアソルを見つめるベリンダの視線が妙に気になった。半信半疑のままバークは、馴染みの新聞記者や仲間たちとともにモラレスの過去や行動を調べていくと、たしかに、モラレスが真犯人ではないかと思えるような性向や事実がわかってきた。しかし、どう考えても、バークにはしっくりこなかった。そしてバークは、ベリンダの性急な働きかけとモラレスの圧力をかわしきれないまま、油断ならぬ無気味な空気をひしひしと感じさせられていく…。

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