1997年5月31日発売
コーリャの微笑みは、愛の贈り物。東欧革命前夜、美しい古都プラハの四季を背景に、初老のチェロ奏者と5歳になるロシア人の男の子コーリャの心の交流を描いて、温かい感動を呼び起こす…。
その老人は、むせかえるように暑い温室で私を待っていた。私立探偵の私は、暗黒街のボスである老人から、過激な環境保護グループの一員となり家出した孫娘を連れ戻すよう依頼されたのだ。やがて私は、孫娘の居所と彼女が密会する若者が住む小屋を探りあてた。だがその晩、小屋は焼け落ち、さらに私の身辺にも卑劣な罠が…探偵レオが森林開発に絡む邪悪な陰謀に挑む。ハードボイルドのジャンルに新風を吹き込んだ注目作。
この世の犯罪の多くは愛ゆえに起こるもの。あなたの隣で起きているかもしれないそんな愛ゆえの事件をテーマに、ベストセラー作家たちが書き下ろしたのが、本書である。甘く淡い囁きからエロティックな妄想まで、激情にかられた残忍な殺人からヴィクトリア朝の高貴な犯罪まで、最高級の作家たちによる最高級のミステリを、心ゆくまでお楽しみいただきたい。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞作「赤粘土の町」収録。
“暴力、言葉、そして希望に取り憑かれた”作家、ドロシー・アリスン。暴力が日常的である家庭に生まれついた少女ボーンをいきいきとした語り口で描き、フィクションの癒しの力を証明した、全米ロングセラー作。性的虐待に蝕まれた少女のこころ-暴力の日々を生き抜いた著者が半自伝的に綴った処女小説。
カリフォルニアのある穏やかな朝。ひとりの女が、見慣れぬ部屋で目を覚ます。かたわらには彼女の夫だと名乗る見知らぬ青年が付き添い、彼女の過去を少しずつ明かしていく。彼女がリズ・サンズボローという名を持っていること、CIAの腕利き工作員だったこと、「肉食獣」という名で知られる国際的な暗殺者に命を狙われていることを。いっさいの記憶を取り戻せぬまま、何者かの襲撃をうけたリズは、コロラドの山奥にあるCIAの極秘訓練所に送られ、カーニヴォアをとらえる作戦指令「マスカレード」に協力すべく、秘密訓練を受ける。が、わずかな記憶がよみがえってくるにつれ、他人に教えられた自分の過去に疑問を抱くようになる。いったい誰を信じればいいのか、どの情報を信頼すればいいのか、そして、ほんとうの自分は誰なのか?この暗闇を手さぐりですすむような狂気の仮面舞踏会の果てに、想像を絶する国際的陰謀が、彼女を待ち受けていた…。
香港からデンバーへ飛行中の大型旅客機から、ロサンゼルス空港に緊急着陸の要請がはいった。空中で異常事態が発生し、多数の負傷者と死者が出たというのだ。かろうじて着陸した旅客機の内部は、壊滅的な惨状を呈していた。シートはつぶれ、裂けた天井のパネルからは配線や断熱材がむき出しになっている。-いったい、何が起こったのか?事故機を生産したノートン社では、緊急会議が招集され、ただちに事故原因究明チームが結成された。ボーイングやダグラスと並ぶ業界最大手のノートンでは、中国との大規模な契約が進行中だった。もし一週間以内に事故原因が究明されなければ、契約が流れることは必至だ。そうなれば、競争の苛烈なこの業界で、ノートンが生き残るチャンスはない。崖っぷちの状況に立たされたチームのメンバーは、必死の調査を開始するが…卓抜なアイディア、無類のストーリーテリング、そして文明批判を含んだ過激なテーマ-つねに時代を揺るがしつづける「超頭脳」クライトンが、航空機事故の急増を予言して全世界を震撼させた大型ビジネス・サスペンス。
香港からデンバーへ飛行中の大型旅客機から、ロサンゼルス空港に緊急着陸の要請がはいった。空中で異常事態が発生し、多数の負傷者と死者が出たというのだ。かろうじて着陸した旅客機の内部は、壊滅的な惨状を呈していた。シートはつぶれ、裂けた天井のパネルからは配線や断熱材がむき出しになっている。-いったい、何が起こったのか?事故機を生産したノートン社では、緊急会議が招集され、ただちに事故原因究明チームが結成された。ボーイングやダグラスと並ぶ業界最大手のノートンでは、中国との大規模な契約が進行中だった。もし一週間以内に事故原因が究明されなければ、契約が流れることは必至だ。そうなれば、競争の苛烈なこの業界で、ノートンが生き残るチャンスはない。崖っぷちの状況に立たされたチームのメンバーは、必死の調査を開始するが…卓抜なアイディア、無類のストーリーテリング、そして文明批判を含んだ過激なテーマ-つねに時代を揺るがしつづける「超頭脳」クライトンが、航空機事故の急増を予言して全世界を震撼させた大型ビジネス・サスペンス。
傍若無人・傲岸不遜・厚顔無恥-そうした悪評をものともせず、己の利益追求のみに血道を上げてきた長崎出身の代議士立浪辰之輔。彼の愛人が都内の超豪華マンションで刺し殺された。その枕元にはミニチュアの鐘。つづいて辰之輔の弟が長崎県五島列島の福江島で惨殺。そして死体の脇にはやはり鐘。殺意の輪が自分めがけて絞り込まれてきたことに恐怖を覚えた辰之輔は、推理作家の朝比奈耕作に謎解きを依頼する。一方、事件を取材する女性記者の片倉文恵に奇妙な手紙が届いた。文面は『連続殺人の原因は、あなたにある』。
かつての上司である井筒が軽井沢に開いた「こころ探偵事務所」の探偵長に迎えられた江戸川匡太郎と瓜生姉妹は、横浜にある「戸塚進学塾」の経営者夫妻を調査することになった。有名小学校へ入学させるという名目で、多額の金を詐取しているというのだ。しかし、内偵を始めた矢先、塾長夫人の戸塚徳子が密室状態の部屋で毒物死しているのが発見された。夫・正二の不審な行動…。徳子の死因となった毒物が、沖縄産の限定ハブ酒の壜にしこまれていたことから、江戸川らは急遽、那覇へ飛んだ!?会心の書下し本格推理。