1998年1月10日発売
アポロンの島アポロンの島
地中海地方の溢れる光の中をひとりバイクで旅する青年が出会う人々や風景を、明晰なことばを積み重ねてくっきりと描き出した「アポロンの島」「大きな恵み」、キリスト教についての著者の基本的な考えがうかがえる「エリコへ下る道」、戦時中の重苦しい時代に土俗的な雰囲気の中で成長する少年を自伝的に描いた「動員時代」の四つの作品群からなる短篇集。
何処へ・入江のほとり何処へ・入江のほとり
栄達出世を夢みつつ、人生への懐疑にゆれる悩める青年健次の魂の行方を追う「何処へ」。瀬戸内海沿いの旧家に集まる兄弟姉妹らの心の翳と哀感を描く「入江のほとり」。父の死を綴る「今年の春」、母の死を書く「今年の初夏」。生涯基督教の神を求めながら棄教し、晩年に回心した“懐疑しつつ信仰を求めた求道者”正宗白鳥の代表作八篇。
天使のすむ城天使のすむ城
山奥から東京のお坊ちゃま校に転入した17歳の稲葉白兎は自分のコンプレックスを刺激する無礼なクラスメート水城静に遭遇。美貌で長身の静は出席日数が足りずに一年留年している歌舞伎役者。欠席した静の家へプリントを届けに通ううちに、ハクトは彼に惹かれていく。第一印象は最悪だったはずなのに-。数多くの女性と浮き名を流す静の手管にハクトは次第に酔わされ、とうとう彼の部屋で愛を誓い、肉体を与えてしまった。お互いなくしては、きっと生きられない。しかし彼らの恋には障害が…。四谷シモーヌと高群保が織り成すキュートでノーブルなラブ・ストーリー。激Hな20ページのおまけ小説付き。
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