2000年1月15日発売
兵吾少年は奇妙な枡形の屋敷に住む老婆に助けられた。その夜、少年は窓から忍び入ろうとする鬼に出くわす。次々と起きる奇怪な事件。虎の彫像の口にくわえられた死体や、武者像の弓矢の先にぶら下げられた死体が発見される。真相は五十年の時を経て、「推理嫌いの探偵」の手により明らかとなる!本格超巨編。
うち捨てられた病院で起きた荒唐無稽な不可能犯罪-収容されていた院長の娘が密室で刺殺され、凶器の短剣も“三重の密室”から持ち出されていた。彼女が遺した奇怪な小説『迷宮Labyrinth』は何を語る?不吉な紅姫の伝説とは?混沌のなか惨劇はエスカレートし、悪魔的終局が現出する。これぞ鬼才の精華。
ニューヨークは眠らない。だから救急救命士の俺も、静かな夜は過ごせない。心拍停止、呼吸困難、薬物中毒、銃撃事件、交通事故。大都会の夜は生と死のせめぎあいに満ちあふれ、救急車は夜を徹して、すさんだ街を走り回る。そんなある夜、心臓発作を起こした老人の家に呼ばれた俺は、不可解な体験をした。俺の面前に現われた人影は…自らも救急救命士であった著者が、その実体験をもとに描き出す、生死と愛憎のドラマ。
刑事たちは呆然と、眼の前で展開されている活人画を凝視した。床の上には、男の射殺死体が横たわっている。そしてベッドの上には、白いガウンを血しぶきに染め、射殺された夫の身体を抱き、片手に拳銃を握りしめた女性が、涙に濡れ、悲痛に顔を歪めて腰掛けていた。元警官で、州の上院議員をつとめるエレン・クリースを見舞った悲劇は、センセーショナルな話題を呼んだ。合衆国上院議員への熾烈な選挙戦をくりひろげている彼女が、自宅に侵入して夫を殺害した強盗を、逆に射殺したのだ。世間は悲劇のヒロインに強い同情を寄せ、支持率は上昇する。だが鑑識による現場の調査は意外なことを物語った。血痕の鑑定結果をもとに、警察はエレンを逮捕、殺人罪で起訴したのだ!思わぬ展開に、世間の注目は裁判に集まる。高潔な人柄で知られるクィン判事が、事件の審理を担当することになった。だがその矢先、判事は予想もしなかった事件に巻きこまれ、窮地に立つ。事件の背後には何者かの意志が動いているのか…。二転三転、予測不可能の展開。『黒い薔薇』の著者がはなつ、サスペンスの新たなる頂点。
明智光秀が愛宕山に参籠し、里村紹巴らと百韻の連歌会に臨んだのは、天正十年五月二十八日のこと。その席で光秀の詠んだ発句「ときは今あめが下しる五月かな」に重大な疑念を感じた紹巴は、本能寺を訪れ、京都所司代、村井貞勝に光秀の謀反の想いを打ち明ける。信長の行動は素早かった。本能寺が不首尾に終わったとき、光秀は…。信憑性のある歴史の可能性を追求した架空戦記。
惑星探査船ジュール=ヴェルヌのクルー達は、ツアルノルテ共和国の領空通過申請を行なおうとしていた。ところが、相手は下船しての会談を要求してきた。何かあるのでは、と不審がるクルー達を残して凱は一人で会談に向かうのだが-。凱をきっかけに大きな事件が起ころうとしていた。それは共和国と連邦の力関係、傭兵集団・黒幇と三四郎の関係、様々な過去が明かされるなか、激しい戦闘でカイが得たものとは!?大人気の『青の軌跡』シリーズ第7弾。