2000年4月10日発売
名君武帝の黄金期をすぎ衰退した前漢は王莽の簒奪を許す。新を倒した光武帝は後漢を復興するが、国は乱れて曹操、劉備、孫権の三国時代へ。そして魏から晋へと移り、大分裂のあと隋を経て「花咲く長安」の唐王朝が誕生する。覇権の交代、熱源を産む。分裂と統一を繰りかえし最も波乱に満ちた時代を活写。
子猫を殺し、子犬を殺す。いい人も、悪い人も、子供も大人も、殺して殺して殺し抜く。殺しすぎだぞ倉阪。いったい誰が生き残るんだよ倉阪。死体の山を築いて爆走する戦慄のローラーコースター。おねがいだれかわたしをとめて。どうにかしてくれ、いやに単調なメロディの童謡が耳について離れない。やめろ倉阪、俺の枕もとで歌うんじゃない!モダンホラーの極北に立つ鬼畜の所業。倉阪鬼一郎、爆裂。
流れに揉まれて生きる男と女、一芸に身を捧げる芸人、破天荒な勝負師ー一筋の道のほかには常識も理屈もない人々の、物悲しく鬼気迫る姿を描いた織田作之助の傑作短篇集。定跡に抗する大阪人の典型、坂田三吉を取り上げた「聴雨」「勝負師」、人形遣いの芸道修業を聞き書き風に記した「吉田文五郎」、失った妻への思いから狂ったように競馬にのめりこんでいく男を描いた「競馬」など11作品を収録する。
アメリカ南部の島ジェイムズ島にあるメイナード邸で、不可解な“事件”が頻発する。何者かに案山子が盗まれたり、武器室の斧が消えるという。さらに主人メイナードの言動も理解しがたかった。そうしたなかで殺人が起こる。鈍器で頭部を殴られたようだった。しかも殺人現場には、被害者以外の足跡がなかった。メイナード邸に客として招待されていたギデオン・フェル博士は、そこで最後の謎に挑むことになる。足跡のない殺人と限定された容疑者、百年前の惨劇と伝説、そして意外な真実とその動機。名探偵フェル博士の最後を飾る、長編本格ミステリ。