2000年4月25日発売
中学2年の実乃は4年前に母親を亡くして、今は父親と姉・花乃の3人暮らし。初めはショックから立ち直れなかったけれど、ようやく元気を取り戻したそんな時、突然父親が早く帰宅して、「会社を辞めた」という。原因は姉が補導されたこと…またしても新たな試練が訪れた!何気ない日常のなかで揺れ動く家族と、淡い恋の予感。少女の成長を明るくドラマチックに描いた、山本文緒のルーツともいえる傑作長編。
このドーチェスターの街で、マフィアに狙われる人間の依頼を受けることは、最大の自殺行為だ。そして探偵パトリックとアンジーのもとを訪れた精神科医ディアンドラも、アイリッシュ・マフィアとのトラブルを抱え、息子の命を脅かされていた。躊躇しかけるパトリック。しかし彼の背中を、永遠に生きつづけるつもりなの、とアンジーが押した。だが二人が飛び込んだのは、この街と住人が二十年にわたって隠蔽してきた、想像を絶する深い闇への入り口だったー。よりハードに、よりスタイリッシュに進化した極上のディテクティブ・ノヴェル。
東京・立川市のホテル内浴槽で溺死体が発見された。不可解な点を鑑識調査した結果、他殺事件と判明する!被害者・高渕貞男は、建設省道路整備課の官僚、ゼネコンとの収賄事件で疑惑をもたれていた。警視庁北多摩署・相馬刑事は、警視庁捜査二課若杉麗子警部とともに事件に隠された闇を追う。だが同じ時、相馬の親友が誘拐事件の被害者に!誘拐されたのは稀少なある生き物…。二つの難事件を前に、相馬刑事は、はたして!?疑獄事件の闇と山岳小説の醍醐味が見事に融合!大好評“北多摩署純情派シリーズ”堂々の書下ろし第七弾。
「この子は神の恩寵によって4つの天運に恵まれることであろう…」-一族の悲願を成就する素質と天運を持って生まれた少年・雄呂血。平安時代末期、紀伊・大和の山奥に隠棲する彼ら一族は何者なのか。そして、雄呂血が成就すべき悲願とは!?秘宝・天日槍を擁し、朝廷を裏から支配する百済の三魔人。死期が近いとされた鳥羽法皇は、彼らに戦いを挑もうとする。動乱の渦中、雄呂血は使命を果たせるのか!?伝奇小説新時代を拓いた期待のニュー・カマー、富樫倫太郎が描く日本史の巨大迷宮。問答無用の1500枚。
かの名探偵と怪盗紳士の“ほんとうの出会い”を、1900年パリ万博を舞台に描いた書き下ろし中編「真説ルパン対ホームズ」、アメリカ黄金時代の探偵たちが不可解な殺人事件をめぐって推理を繰り広げる「大君殺人事件またはポーランド鉛硝子の謎」をはじめとして、古今東西さまざまな探偵たちが紙面狭しと大活躍する“芦辺ワールド”の大博覧会!粋なトリックと洒落たギミックで読者をいざなう8編を収録。
1942年3月1日、ルーズベルト米大統領は、驚くべきスピードで日本に対する宣戦布告を行なった。その衝撃は世界中に広がる。電光石火の早業に、日本は大混乱に陥った。強硬派と穏健派に分かれ、さらなる国内の混乱を呼ぶ。そのすべての元凶は41年6月、突如、世界を激震させたヒトラーの日本への亡命だった!42年2月、ヒトラーは帝国陸軍の幹部を巻き込み、自らの野望を果たすべくクーデターを画策するが、結局、東条英機らの活躍で、日本は危機を脱し、ヒトラーは焼死する…。しかし、ルーズベルトは戦争を欲していた!山本五十六は、長門の長官室で軍令部の無為無策に唇を噛みしめる。一方、キンメルは短期決戦を望む大統領の意向を受け、全力で決戦に挑む。マーシャル諸島沖、両軍の思惑をこえた激突の火蓋が、ここに切られる。
ハワイ沖で夜間攻撃により、太平洋艦隊を壊滅させた南雲艦隊-。次に待ったいたのは、牛刀をもって鶏を割くに等しい南方作戦だった。今や南雲艦隊の司令塔となった森参謀長は、自分なりの抵抗を試みる。が、インド洋で英東洋艦隊相手に夜間攻撃を敢行後、森は艦を下りることとなり、南雲艦隊は「漆黒」の名を返上してしまった。さらに優位性を失った機動部隊に、大いなる試練が待ち受けていた…。昭和17年夏、戦争の焦点は南太平洋の小さな島、ガダルカナルに移る。矢面に立つのは、歴戦の強者たちが揃うラバウル航空隊であった。本格的なアメリカ軍の反撃に、善戦もむなしく苦境に立たされる陸攻隊。次々と火を噴く一式陸攻を森は最前線で見上げる。新たなる策を持ってラバウルへ乗り込む航空決戦篇。著者渾身の第二弾。
ホストの手練れな性技に身も心も翻弄され、全てを捧げ尽くす人妻の悲しいまでの性。見知らぬ男たちに拉致され体の隅々まで丹念に責められイタぶられ、遂には心ならずも身悶えてしまう女子大生。異様な満員電車の空間で中年男の執拗な指弄に股間を濡らしてしまう美少女…。快楽と責苦の狭間で喘ぎ吐液する女たちの姿態を描いた好色官能短編10編を収録、本誌第6弾が又々フルラインアップで登場!巨匠から気鋭までの名作、秀作、意欲作の数々を十二分にお楽しみ下さい。
「恋愛は面倒、身体の相性がよければ、それでいい」などと断言し、きれいな子を片っ端から食ってしまう楢崎哲治。そんな彼を追いつづける立花朋巳が天堂高校に入学してきた。楢崎の隣の家に住む朋巳は邪険にされてもめげない。数年前にお医者さんごっこをされてからは冷たくなってしまったが、かつての楢崎は面倒見のいい優しいお兄さんだったのだ。入学して楢崎の「初物食い」なる噂を聞いて愕然とする朋巳だが…。楢崎を見つめつづける朋巳の想いは報われる。