2000年5月25日発売
プレーンソングプレーンソング
うっかり動作を中断してしまったその瞬間の子猫の頭のカラッポがそのまま顔と何よりも真ん丸の瞳にあらわれてしまい、世界もつられてうっかり時間の流れるのを忘れてしまったようになる…。猫と競馬と、四人の若者のゆっくりと過ぎる奇妙な共同生活。冬の終わりから初夏、そして真夏の、海へ行く日まで。
ナポリからの特使ナポリからの特使
ソリータは、イタリアから意を決してキャルヴァリー公爵の城を訪れた。かつて公爵が軍人だった頃命を救われた縁で、父の死後ソリータの後見人になっているからだ。しかし、ナポリの伯母に預けたまま公爵はその役目を忘れ果てていた。ソリータは、父の仇であるロシア人に深い憎しみを抱いていたが、あろうことか、当の公爵がロシアのさる皇女と深い関係にあった。その兄弟と共に、ソリータは城に滞在することになったが、偶然驚くべき秘密を耳にする…。
底無沼底無沼
時代伝記小説の大家・角田喜久雄は、大正十四年、探偵文壇にデビューし、戦前・戦後を通じて数々のミステリを発表してきた推理小説の名手でもあった。笛を吹くだけで人を殺すことが出来るのか?人間の心に潜む底知れない悪意を描いて昭和三十三年度の探偵作家クラブ賞を受けた「笛吹けば人が死ぬ」、恐水病に罹った男の異様な犯罪計画を描く「恐水病患者」等、単行本未収録作品一篇を含む全十三篇!著者十代の才気あふれる初期作品から、最後のミステリ「年輪」まで、傑作・代表作を網羅した角田ミステリの精華集。
頭のなかの性(セックス)頭のなかの性(セックス)
女は踏みつけにされる側の世界に属している。少女の時にそう悟った主人公はどう生きるのか?彼女は、周りの人間たちのなかに自分の居場所を探そうとする。だが、それは悪意ある罠を仕掛けることにしかならない。それでは他にどんな生き方が?
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