2000年8月4日発売
鬼平犯科帳 十一鬼平犯科帳 十一
同心・木村忠吾が男色の侍に誘拐されて…「男色一本饂飩」。平蔵が乞食浪人に化けて大立廻り…「土蜘蛛の金五郎」。盗んだ三百両を人知れず返しにゆく老盗人の名人芸…「穴」。地震にさえ腰を抜かす弱虫の同心が、妻女を殺されて命をかけての敵討ち…「泣き味噌屋」。他に三篇を収録。
白仏白仏
筑後川下流の島に生まれた稔は発明好きで戦前は刀鍛冶、戦中は鉄砲修理、戦後は海苔の加工機製造などをしてきたが、戦死した兵隊や亡き初恋の人、友達、家族の魂の癒しのため島中の墓の骨を集めて白仏を造ろうと思い立つ。明治大正昭和を生きた祖父を描く芥川賞受賞第一作。1999年仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人初受賞。
月のしずく月のしずく
三十年近くコンビナートの荷役をし、酒を飲むだけが楽しみ。そんな男のもとに、十五夜の晩、偶然、転がり込んだ美しい女ー出会うはずのない二人が出会ったとき、今にも壊れそうに軋みながらも、癒しのドラマが始まる。表題作ほか、子供のころ、男と逃げた母親との再会を描く「ピエタ」など全七篇の短篇集。
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