2001年10月25日発売
かつては神宮球場のヒーロー、プロ野球の世界ではノーヒットノーランを達成。加倉昭彦は栄光に彩られた野球人生を全うするはずだった。しかし肩の故障が彼を襲う。引退、事業の失敗、離婚、残った莫大な借金。加倉は再起を賭け台湾プロ野球に身を投じる。それでも将来の不安が消えることはない。苛立つ加倉は台湾マフィアの誘いに乗り、放水ー八百長に手を染めた。-交錯する絆と裏切り。揺れ動く愛と憎。破滅への道しか進むことのできない閉塞状況のなかで解き放たれていく狂気…。人間の根源的欲望を描き切ったアジアン・ノワールの最高峰。
小学五年生になった倫太郎。学級担任のヤマゴリラと衝突することはあるものの、おおらかで魅力的な仲間たちに囲まれて、へこたれずに前へ進み続けている。そんなある日、事件が起こった。リエが学校に来なくなったのだ。リエの登校拒否の原因は何なのか、自分に何ができるのか。悩み抜いた倫太郎がとった行動とは…。様々な人たちとの出会いを真摯に見つめながら成長する倫太郎。灰谷健次郎が登校拒否の問題を世に問う、待望のシリーズ第三巻。
小学校卒業、そして中学校進学を間近に控えた倫太郎たち。倫太郎は中学校の説明会をすっぽかしたり、ミツルは「校則で決められてる制服は着ない。丸刈りにもしない」と宣言したりと、入学式の前から倫太郎たちの名前は学校じゅうに知れ渡っていた。これまで、理解ある人々に囲まれてのびのび育ってきた倫太郎たちだが、中学校という新しい環境の中で、彼らはどう変わっていくのか?待望のシリーズ第四巻。
くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのであるー四季おりおりに現れる、不思議な“生き物”たちとのふれあいと別れ。心がぽかぽかとあたたまり、なぜだか少し泣けてくる、うららでせつない九つの物語。デビュー作「神様」収録。ドゥマゴ文学賞、紫式部文学賞受賞。