2001年2月20日発売
花あらし花あらし
「一度会いに来るよ」死の床で夫がつぶやいた。一周忌を過ぎ、墓参に訪れた妻が目にしたものは-。夫婦の深い絆を描いた表題作「花あらし」。そのほか、一見穏やかな日常を微妙にずらしたところに見える「不思議」や「怖い」の世界を鮮やかに切り取った、12編の短篇集。
われはフランソワわれはフランソワ
大泥棒にして人殺し?だのに「フランス文学史上最高の抒情詩人」と今なお讃えられる破天荒な男フランソワ・ヴィヨン。謎につつまれていたその生涯を現代に甦らせたピカレスクロマン。
ゆっくり歩け、空を見ろゆっくり歩け、空を見ろ
僕は一体、何者なのか-帰る場所も仕事も失い、巷を彷徨する僕の顔はふと気付くと8歳の時生き別れた父そのものだった。破天荒な人生を歩み、妾だった母にさえ捨てられた父。DNAに巣食う放蕩の血脈を断ちきるため、父親探しの旅に出た僕が突き止めた「真実」とは…。衝撃の告白小説。
妖精愛妖精愛
「お前はすけべえな女だ。これしか能がないんだ」彼が言った。「あなたがこうした」私は答えた-。刹那の性愛を求めて夜の街を彷徨う女たち。満たされぬ心の叫びを、哀切に描き出す衝撃作。はかなく危うい愛の形。
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