2001年7月1日発売
とりあえずの愛とりあえずの愛
初の本格恋愛小説。娘の夢を見て欲しいと懇願する初老の奇術師、他人の弔辞を書きつづける女シナリオライター…他人との折合いが微妙にずれる男女がおりなす、かなり奇妙で怪しくて、チョッピリ背筋も寒くなる“四つの恋の物語”。
貝がらと海の音貝がらと海の音
郊外に居を構え、孫の成長を喜び、子供達一家と共に四季折々の暦を楽しむ。友人の娘が出演する芝居に出かけ、買い物帰りの隣人に声をかけるー。家族がはらむ脆さ、危うさを見据えることから文学の世界に入った著者は、一家の暖かな日々の移りゆく情景を描くことを生涯の仕事と思い定め、金婚式を迎える夫婦の暮らしを日録風に、平易に綴っていく。しみじみとした共感を呼ぶ長編。
謎の母謎の母
いつでも女の人に甘え、その場をずるく言い逃れ、迷惑という迷惑をかけ通しだった。でも実は、身をよじるようにして、この国と、国民のことを案じていた。十五歳の「私」を見つめる時、まぎれもなく、母にすがる目をしていた。玉川上水に女と身を投げたあの人は…。一人の女生徒が物語る、優しくて汚くて、誇り高くて品がなくて、「無頼派の旗手」と呼ばれた小説家の「死」まで。
命の行方『B』命の行方『B』
死の集団密航から奇跡的に甦り、命がけの凄絶な実生活を体験しながら、凋落の一途を辿る中国人女性レイの軌跡。20世紀の日本と中国の歴史的記憶のために、全身全霊を傾けて執筆した渾身の作。
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