2002年12月20日発売
七通の手紙が彼女のもとに届いた。差出人はすべて不明。手紙は決まって、縦書きの便せんに水性のボールペンで書かれ、最後のページがきれいに一部切り取られていた。やがて、八通目の手紙が託された。そして、それが最後の手紙だった。80年代前半・長野。90年代後半・東京、そしてアメリカ西部。ふたつの時代が出会い、そして、今、静かに響きあう。『天国の本屋』シリーズの著者が描く、絶対零度の最新恋愛小説。
伝説の刀鍛冶の末裔として、ある時は対立し、ある時は臣従しつつ、天下を目指してともに進む父と子。互いに親子と知らぬまま、因縁の秘剣「櫂扇」に導かれ、頭角を現わすふたりだが…。壮大な夢を追った武将を描く、血沸き肉躍る大型時代活劇。
パフォーマンス・アーティスト=ボディ・アーティストであるローレンは、夫の自殺に直面し、言語とアイデンティティーの危機に晒される。そして、彼女の前に出現する奇妙な青年。いつの間にか彼女が住む別荘の上階に住みついていた彼は、時間の概念もなく、因果関係もわからないままローレンと交流を重ねていく-。現代アメリカ文学の巨人が、アメリカの裏面史を壮大なスケールで語った前作『アンダーワールド』から一転、ひとりの女性が変わりゆく姿を緊密に、詩のように美しい文体で描く極小かつ極上の傑作。
その右手は、手当たり次第に何でも破壊する!やくざの愛人の息子である「オレ」は親父の失脚により組織の闘いに足を踏み入れてしまうのだが…。第39回文芸賞受賞作。
オーストラリアの日本語学校の仲間15名が夏休みを利用して、日本のスキーのメッカ・千年岳にやってきた。おりしも千年岳では、タイムスリップ現象を引き起こす“ワームホール”の噂で持ちきりになっていた。一行はヘリスキー中、ある人物の思惑からツアーコースを外れ、“ワームホール”があると噂される場所へ来てしまう!そこで奇妙な殺人事件が発生!さらに一行の凄惨な未来を綴った手帳が出現する!はたして殺人者・エックスとは誰?“ワームホール”の謎とは!?本格推理の旗手、二人による夢のコラボレーション・ミステリ。
アドベンチャー・ロマンの傑作!かつて愛した一人の女性と、血を分けた娘のために、混迷のアフガニスタンに潜入したカメラマン・柴田雄司。暴力と貧困が支配する絶望の国で、柴田が見たものは何か!長編小説最新刊。