2002年8月25日発売
裸の桜裸の桜
閉じこめられた男女三人。すべてをさらけ出しあった濃密な地下室の夜。ヌードモデル、元ボクシングチャンピオン、OL。弱った心を抱え、占い師を訪ねた者たちが直面した緊迫の一瞬。エロティシズムが究極のサスペンスへ。
エンジェルエンジェル
何者かに殺され、幽霊となった投資会社の若きオーナー掛井純一。記憶を失った彼は、自らの死の真相を探りはじめる。やがて、彼は自分の周囲に張り巡らされていた黒い罠の存在を知る。すべての謎が解けた時、あまりにも切ない究極の選択が待ち受けていた。デビュー作『池袋ウエストゲートパーク』の大ヒット、そして『娼年』、『スロー・グッドバイ』でさらなる注目をあつめる石田衣良が描く、やさしく切ないミステリー。(解説・豊崎由美)
シュークリアの海シュークリアの海
深く深く海の底に潜ることで空っぽな心を満たそうとするアサコ。誰とでも寝る自堕落なキリ。南の島でフリーター生活をおくるふたりの女たちの毎日は、刺激的で自由で、でも本当は退屈に倦んで少しずつ死んでゆくよう。永遠に続くかのように思われた楽園の日々も、キリのエイズ騒動で終わりがやってくるー。表題作「シュークリアの海」その続編「島は沈まない」で描くアサコの再生への軌跡。
わが屍は野に捨てよわが屍は野に捨てよ
時は鎌倉時代、武門の身を捨て、家族を離れ、十三歳にして出家した一遍。一度は武士に戻りながら再出家し、かつて妻であった超一房や娘の超二房をはじめ多くの僧尼を引き連れて、十六年間も遊行して歩く。断ち切れぬ男女の愛欲に苦しみ、亡き母の面影を慕い、求道とは何かに迷い、己と戦いながらの漂泊遊行で、踊念仏をひろめ時宗の開祖となった男。その捨てる心さえも捨てた境地に踏み入り、遊行先で没するまでの、波瀾の生涯を描く長編小説。
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