2003年10月30日発売
梨香子は33歳のエリート銀行員。才色兼備の彼女が、ある日、年収200万円のオタクなライター・真一となぜか恋におちて、そして結婚ー。ちっとも噛み合わない二人の結婚生活に、男と女の本音が垣間見える。いまどきカップルの恋愛・妊娠・子育てとは…てんやわんやの結婚騒動記。
「今の時代、どうしてクマを食べる必要性があるのでしょうか」秋田県阿仁で行われたマタギ親睦会。都会育ちの女性編集者・佐藤美佐子の発言が、会場に波紋を巻き起こす。その後、動物写真家・吉本憲司の言葉「山は半分殺してちょうどいい」をきっかけに、マタギ取材を進める美佐子が見たものは…。峠を越え、沢を渡り、谷を跨いて生業をなす男たち。そして、彼らに対峙する美しくも厳しい自然。東北の山奥で、今、何が起こっているのか。
十二月三十日夕方、神奈川大学駅伝チームのマネージャーが行方不明になり、同じ頃、局内のモニターに女を監禁する映像が送られてきた。中継波が操られているのか?誰が?何のために?後手に回る捜査、見えぬ犯人像、刻々と迫る生中継。解決のメドも立たぬまま、ついに、選手たちは正月の箱根路へスタートを切った…。各区間で演じられる激走のドラマと、犯人側との攻防がシンクロする!一気読み間違いなしの感涙サスペンス。
暴力と許容、虚無と欲望、狂気と冷静の狭間を彷徨う男が世界を黒く染めていく-映画「ユリイカ」でカンヌ映画祭、国際映画批評家連盟賞とエキュメニック賞を、その小説バージョンで三島賞を受賞した鬼才・青山真治が、自身の劇場映画デビュー作を完全小説化。「Helpless」から続く秋彦と健次のその後を追った中編2本も収録。
江戸末期、京で流行る染付磁器は当時の最先端産業だった。この華麗な藍色の器に魅せられた男が妻の助けも借りて「湖東焼」という新事業を立ち上げる。藩主・井伊直弼も巻き込んだこの新しい挑戦に勝機はあるのか!?商いの醍醐味、職人の誇り、官と民の闘い、そして夫婦の情愛を丹念に描いた、著者初の経済歴史小説。
絹屋半兵衛が興した「湖東焼」は、職人の技術向上で素晴らしい器が焼きあがる。しかし販売ルートを牛耳る有田・瀬戸の巨大ブランドが大きな壁に。さらに融資の見返りに窯を藩に召上げられ…。幕末のベンチヤー・ビジネスは時代の荒波に翻弄される。現代日本にも通じる商売の駆け引きをダイナミックに描き出す、著者入魂の人間ドラマ。
「あなたは母の愛人だったんですか?」突然現れたパイロットのひとことから愛の地獄めぐりが始まった…。ポストモダン・ゴシックの旗手、パトリック・マグラアの描くミステリアス・ロマンス。