2003年10月発売
どことも知らぬ砂漠の惑星。そこでは“ハハ”と呼ばれる銀色の巨大な装置が、荒れた大地を耕し、さまざまな種子を播きながら移動を続けていた。“ハハ”に寄生する人々のムラで、少年ニジダマは暮らしていた。どこかに存在するというトシに憧れる彼は、ある日、トシからの交易人を名乗る男ツキカゲを迎える。それは、世界に隠された大いなる秘密と、ささやかな約束へとみちびく出会いであった-植物育種家にして叙情SFの名手が描く、とある世界の発芽と収穫の物語。
ぼくの名前は、ビューティフル・ジョー。かつて、この世にほんとうに実在した犬なんだ。ぼくのさいしょの飼い主は、わるい人で、ぼくの耳としっぽをちょんぎったんだ。すごく痛かった。でも、すぐにぼくを救い出してくれた人がいた。こんなぼくなのにビューティフル・ジョーと名づけてくれた人がいた。生涯にわたってやさしく、ぼくをたいせつにしてくれた人がいた。ぼくは、ほんとうに人間たちみんなに感謝して、いまは天国にいる。そして、ぼくと人間たちとの波乱万丈の交流を描いたこの本が、100年たったいまでも、世界中のおとなと子どもたちに読みつがれていることに、ほんとうに驚いている。ぼくのいまの願いはひとつ。でも、ここでは言わない。それはこの本に書いてあるからね。この本を読んだみんなは、ぼくの願いをきっとわかってくれると思うんだ。
神父の服を身にまとう桜庭は、ルキヤと龍星の暗殺の仕事を管理している。桜庭は、女扱いして自分の唇を強引に奪おうとした鷹司を嫌っているが、彼は桜庭に執着して付きまとう。そんな折、新しい仕事の依頼に入ったが、少年達の失敗で、桜庭は鷹司に借りを作ってしまう。本部への口止めと引き換えに、何度も肉体を要求され淫らに散らされ、恋の手管に酔わされて…。
月50万円!…破格のバイト料につられて役者志望の大学生・鳴海が引き受けた仕事はー人気作家・飛鳥の家に住み込んで家事をする傍ら、執筆に専念できるよう極秘裏に彼の恋愛を妨害すること。というのも、和風美人で超天然の飛鳥は、すぐ恋に落ちては仕事が手につかなくなるという厄介な性癖の持ち主。あの手この手の恋の破壊工作…果たして、2年ぶりの新作は無事上がるか!?一触即発ラブトリック。書き下ろし。