2003年11月25日発売
魏の曹丕、蜀の劉備に続いて、呉の孫権も皇帝を称した。名実共に三国が鼎立したことになる。呉と蜀の盟約の辞に怒った魏帝は孫権暗殺を命じた。一方、蜀の丞相・孔明は数次の北伐を試みるが、魏への侵攻を果たせず、焦りを見せていた。そして第五次の北伐。最終決戦の臍を固めた孔明は、奇策に打って出る。「死せる孔明、生ける仲達を走らす」とは。
ニシノ君とのキスは、さみしかった。今まで知ったどんなさみしい瞬間よりも。女には一も二もなく優しい。姿よしセックスよし。女に関して懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう…とめどないこの世に、真実の愛を探してさまよった、男一匹ニシノユキヒコの恋とかなしみの道行きを、交情あった十人の女が思い語る。はてしなくしょうもないニシノの生きようが、切なく胸にせまる、著者初の連作集。
山あいの静かな町、雪沼で、ボウリング場、フランス料理屋、レコード店、製函工場、書道教室などを営む人びと。日々の仕事と真摯に向きあい、暮らしを紡いでゆくさま、その人生の語られずにきた甘苦を、細密な筆づかいで綴る最新短篇集。川端康成文学賞受賞作「スタンス・ドット」ほか、雪沼連作全七篇を収録。
桜の花の咲く頃に出会うはずのない二人が接近した…。凄惨な時代に翻弄された十一歳の少年。歪みを知らない信念が守り通そうとしたものは何だったのか。極限状況の“沖縄”を研ぎ澄まされた筆致で描く、話題の長編小説。
時は戦国。洛東はるかに、西域は波斯の暗殺教団“山の長老”伝来の暗殺の法を秘かに伝える山があった。玉のごとき美貌を謳われ、山中深く刺客として養われた一人の稚児が、兄弟子とともに修羅の巷に下りる時、戦国一婆娑羅な悪党の伝説が始まる!天下二分の夢を誓った兄弟子・斎藤道三への想い、昇る日輪のごとく台頭する若き織田信長への嫉妬と憤怒…。舞い踊る傀儡、乱れ咲く毒の花、神秘の霊薬、妖しの法を自在に操り、久秀は迫りくる千軍万馬に、独り立ち向かい続ける。時代に先駆けながら、自らの誇りにのみ従い、時流に叛逆しぬいた男の華麗なる生涯-虚と実の狭間に屹立する、異形の戦国史。
リィとの一騎打ちに敗れたナジェック王子が敵軍の手に落ちたことで意気消沈するタンガの陣に、国王ゾラタス率いる援軍が到着した。迎え撃つデルフィニア国王ウォル・グリーク。両国の王を将とした大軍が国境の砦をはさみ対峙する。パラストを加えた大華三国は三つどもえの戦乱に突入してしまうのか。