2003年5月1日発売
汝ふたたび故郷へ帰れず(小学館文庫)汝ふたたび故郷へ帰れず(小学館文庫)
故郷とは、人に何をもたらす場所なのか?「読む者をリングに立たせる」と言われた迫力満点のボクシング小説でありながら、人と風土との関わりを深く見つめた傑作ー故・江藤淳氏が選後評で「いつの間にか引き込まれていた」と語った、第25回文芸賞受賞作『汝ふたたび故郷へ帰れず』を筆頭に、晩年を迎えた父の“記憶の痛み”に触れ、それに応える息子の姿を描いた佳編『スピリチュアル・ペイン』、そして小説現代新人賞受賞のデビュー作『プロミスト・ランド』までを収録。稀代の歴史作家・飯嶋和一の現代小説すべてを収めた価値ある一冊。
ストロボストロボ
走った。ひたすらに走りつづけた。いつしか写真家としてのキャリアと名声を手にしていた。情熱あふれた時代が過ぎ去った今、喜多川は記憶のフィルムを、ゆっくり巻き戻す。愛しあった女性カメラマンを失った40代。先輩たちと腕を競っていた30代。病床の少女の撮影で成長を遂げた20代。そして、学生時代と決別したあの日。夢を追いかけた季節が、胸を焦がす思いとともに、甦る。
幸せのねむる川幸せのねむる川
毎日が思うようにいかなくてため息ばかり出る夜に…。遠い遠い母なる川へ戻ってきた「銀色のさけ」が最後に探しあてた希望の詩。韓国で100万部の大ベストセラー“大人のための童話”待望の日本語版。
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