2003年7月31日発売
駅ビルの化粧品店で働く美容部員ユキエさんのもとを訪れる風変わりな客たちー「イエロー」(第128回芥川賞候補作)。富士の樹海に近い「旅荘・蓬莱」の深夜受付フジミと、長逗留の泊り客サオトメとの不思議な顛末ー「私のフジサン」。漫画家としても異彩を放つ松井雪子の中篇小説2篇を収録。
仙台郊外の幽川をフライフィッシングの理想郷に。-早瀬はリバー・キーパーとして、水質や川辺の樹木の管理に勤しんでいた。だが釣り上げた一匹のブラックバスが川の運命を変えてしまう。最悪の密放流事件は死体を伴っていたのだ。
科学技術発祥の地“楽園”を訪れたバロットが知ったのは、シェルの犯罪を裏付ける記憶データが、カジノに保管された4つの100万ドルチップ内に存在するという事実だった。チップを合法的に入手すべくポーカー、ルーレットを制してゆくバロット。ウフコック奪還を渇望するボイルドという虚無が迫るなか、最後の勝負ブラックジャックに臨んだ彼女は、ついに最強のディーラーと対峙するー喪失と安息、そして超克の完結篇。
四谷署刑事課勤務時代に誤認逮捕の責めを負わされてからというもの、勝手気ままに生きることを決意した土門岳人警部補が、いまだに警視庁捜査四課の暴力団係刑事を務められるのは、有資格者の醜聞や不正の証拠を握っているからだ。むろん、闇社会の猛者たちも、ヤリたい放題の土門に対しては、「触らぬ神に祟りなし」と、見て見ぬフリを決め込んでいる。その“狂犬”に、美人フリー・ジャーナリストの久世沙里奈から電話があった。聞けば、同棲している銅版画家の轟麻衣が三日前から行方不明という。どうやら、いま沙里奈が取材中のインターネット犯罪集団“報復屋”が絡んでいるらしい-。
ビッグオー、ショウタイム!記憶喪失の街・パラダイムシティで起きる連続殺人とアンドロイド失踪事件。それは、シティを襲う大いなる災厄の予兆だった!?シティ随一の交渉人ロジャー・スミスと彼が駆る巨大ロボットビッグオーは、シティを救うことができるのか?ロボットアニメの雄、サンライズが生み出したビッグオー、小説世界でもアァァークション。