2004年10月30日発売
空飛ぶ一家と家族の交換。額に書かれた自分の名前。バットでボコボコ僕のプリウス。学校襲撃絶対ノンノン!夢と嘘と優しさと愛と憎しみと悲しみと平和と暴力。どうして目に見えないものばかりが世界に満ちているのだろう?
果てしなく続くゼロ金利政策。しかし、ペイオフ解禁を目前に控えた金融市場では、密やかな兆しが現われていた。暴れる市場をいかに飼いならすか-量的緩和を巡る暗闇の中、美貌の日銀副総裁・笙子は空前絶後の秘策を打った。日銀奥の院に徹底取材、その政策決定を通して国際市場の動向を予見する経済大作。
小さな広告代理店に勤める僕は、学生時代に事故で失った恋人の習慣だった「五分遅れの目覚まし時計」を今も使っている。その五分ぶん、僕は社会や他人とズレて生きているようだ。そんな折り、一卵性双生児の片割れ「かすみ」と出会う。かすみは、双子であるが故の悩みと、失恋の痛手を抱えていた。かすみの相談に乗り、彼女を支えているうち、お互いの欠落した穴を埋め合うように、僕とかすみは次第に親密になっていくー。
「砂漠で毛布を売らないか」IT企業の社長・野毛さんに誘われるまま会社を移った僕は、バイトと二人きりの職場で新しく働き始める。仕事は、客入りの悪い飲食店を生まれ変わらせること。単なる偶然か実力か、僕の仕事はすぐに軌道に乗り、業界では隠れた有名人となる。ある日、本当に久しぶりに尾崎さんから電話が入った。もう二度と会うまいと決めていたのにー。再会した尾崎さんは、「頼みがあるんだ」と、信じられない話を切りだした。
「およそ文学における最高傑作の一つと言っても過言ではない」とボルヘスに激賞され、オースターが『幽霊たち』を書く際に依拠したとされるホーソーン著『ウェイクフィールド』。ストーリーも時代設定も同じながら、新たな光をあてラテンアメリカ、欧米諸国で絶賛されたベルティ著『ウェイクフィールドの妻』。不可解な心理と存在の不確かさに迫る文豪と鬼才のマスターピース二篇。
いつか、出逢った二人。どこかで再び会えるなんて-。男の事業は崩壊に瀕していた。女は夫との距離を感じはじめていた。そして、運命は31年ぶりの再会へと二人を誘った。純真と激情が結びつき、感情と官能が交錯する恋愛長篇。
追い詰められた北朝鮮が日本のテレビ局に前代未聞のオファーを出す。収容所、拉致被害者等を含めた完全自由取材。さらに金正日の独占インタビュー。開放か、罠か?共和国「最後の真実」が解き明かされる超一級のスーパーフィクション。
昼休み、同僚がいなくなったオフィスで、彼とふたりだけの秘密の“ミーティング”…ネコのふりをして甘える彼女を、どうやってかわいがってあげようか…恋人のアパートで愛を交わしていると、かならずふたりを見ている何者かの目…突然停電になった満員電車の暗闇で、いったいなにが起きるか?-日々の暮らしのあい間に、突然わきあがる官能的な衝動。その瞬間を、現代最先端のエロティカ作家たちが描く、とっておきのショートストーリー全35編。5分間で、あなたを夢の世界へ誘います。
アイルランドの海岸通りにたたずむ小さな店で、アリーナは「世界に一つしかない」と勧められ、古いペンダントを買った。だがその間に彼女は助手を務めるツアーの船に置いていかれてしまう。嵐の中、ボートを雇って追いかけた彼女は見知らぬ島にたどり着く。島にある古代遺跡で行き倒れたアリーナは、貴族的な風貌の男性コナルに助けられたが…。アリーナとコナルは、二人の出会いを予言するような伝説に激しく動揺する。われらがノーラが、愛の神秘を描く「リトルマジック」シリーズ第一弾。
三軒のクラブを経営する若手実業家、桐原の店にある晩、一人の男が現れた。日本人離れした風貌、そしてふてぶてしい態度のその男ー久瀬は、アメリカから帰国したばかりの新進気鋭の写真家であり、6年前、桐原の躰を好き放題に拓いた挙げ句、ふいと姿を消した高校時代からの親友であり…元恋人。久瀬は強引に桐原のマンションに居候を始め、ヨリを戻そうと迫るのだが…。デンジャラス・アフェア書き下ろし。
建築デザイナーの卵、杳が「同居人募集」のサイトで見つけた『運命の相手』-遼一。本名を隠し、眼鏡をコンタクトに変え、別人になりすましてまで遼一のルームメイトになりたかった杳には、“ある目的”があった…。だが、ひどく無愛想なその男は、取っ替え引っ替え女の子を部屋に連れ込むケダモノのようなヤツ!?…その上、男とまでコトに及んでいるのを目撃し、杳は…。フェイクなラブシェア書き下ろし。