2004年11月発売
1980年、本国で光州事件が勃発した頃、新宿のバーには在日朝鮮・韓国人の若者たちが夜ごと集い、酒を飲み、熱く語り合っていた。その中に、45歳のタクシードライバーと23歳の女性との、とびきり激しく、切ない恋があった…。超話題作『血と骨』の著者が描く感動の自伝的大河恋愛小説。
自分とはなんなのか?これからどう生きればよいのか?80年代を生きる在日朝鮮・韓国人の若者たちは苦悩と情熱を抱えながら生きていた。そして、タクシードライバー文忠明と若き朴淳花の愛も、新たな時代の流れに翻弄されてゆく…。感動の自伝的大河恋愛小説、堂々の完結。
病弱な息子への愛情を支えに不幸な結婚生活を耐えるエリアーナ。キャンティのワイナリー、フィレンツェの街、トスカーナの美しい自然と歴史に囲まれ、はぐくむあたらしい愛の行方は…。『クリスマス・ボックス』のミリオンセラー作家リチャード・P・エヴァンズのロマンチック小説最新作。
若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、観劇に行ったグエンダは、芝居の終幕近くの台詞を聞いて突如失神した。彼女は家の中で殺人が行なわれた記憶をふいに思い出したというのだが…ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。
連続猟奇殺人事件の謎、手掛かりを集約すべき名探偵不在という謎、ちりばめられたパズルの薀蓄の謎…。徹底して不可思議な小説構造で読者の頭脳に挑戦する、かつてない思考型サスペンス。今年度最大の異色問題作。
沈黙は何かをずたずたに引き裂くかもしれない…!天才作家が空前の文学的実験で物語る超ユニークな「カルト集団小説」。ある家族のアンチ・ポートレイトと無言劇を描く「ホワイティング作家賞」受賞作家の問題作。
観光でアイルランドを訪れたケイリーンはドライブ中に森に迷いこみ、誰かの呼びかける声を聞いたと思った直後、車を木に激突させた。嵐のなか、とある館にたどりついた彼女は、フリンと名乗る男と出会う。彼は魔法使いで、五百年の眠りについていたころからケイリーンを「運命の女」として夢に見ていたと語る。実際的な性格で、ロマンティックな恋愛とは無縁だと思っていた彼女も思わず心をときめかすが…。ノーラ・ロバーツが、神秘の国アイルランドを舞台に描くリトルマジック第二弾。
時代は紀元前3万5千年ころ。大地震で両親をなくし、孤児となったクロマニオン人の少女エイラは、ネアンデルタール人の一族に拾われる。種族の違う彼らから見れば、醜い異形の子であるエイラは、さまざまな差別やカルチャーショックにみまわれながらも、まじない師のクレブと薬師であるイーザの庇護のもとに育てられ、やがて一族の一員として認められる。エイラが成長するにつれてそのクロマニオンの特性は顕著になり、一族のなかの反感と憎悪は強まっていく。その急先鋒である族長の息子との間に、混血の子供ダルクも生まれるが、ついにイーザもクレブも死をむかえ、後ろ盾を失ってしまう。わが子の叫び声に後ろ髪を引かれながらも、自分と同じ種族を求めて、エイラはひとり旅立っていく。