2004年11月発売
明治から昭和まで、とくに大正時代以降は、わが国の童話や児童文学の黄金時代だったのではないでしょうか。雑誌「赤い鳥」を中心に、芥川龍之介、菊池寛など、一流の作家たちが子どものための作品を執筆しました。この流れのなかで、小川未明、坪田譲治、新美南吉、浜田広介などのすぐれた作家が誕生しました。その成果は戦後にも引き継がれ、多くのすぐれた作家が作品を生み出しています。本書では、それらの作品のなかから、四十八編を選び、その作品のもつ息吹そのものを感じていただきたいという思いから、二十七編は全文を掲載しました。
おまえは、シャナラの王家の子孫だ。世界の運命は、おまえにかかっている!小さな村「日陰谷」に住む青年シェイのもとに、ある日、歴史と魔法につうじた賢者=ドルイドのアラノンが現われた。彼は、シェイに驚くべき話をする…「闇の王」が目覚め、邪悪な影が世界を覆おうとしている。その力に対抗できるのは、古代のエルフ王が残した、伝説の“シャナラの剣”だけだ。だが、この剣を振るえるのは、シャナラ王家の血を引く者にかぎられる。そして、シェイこそが王の子孫だというのだ!こうして、世界の命運をかけた、壮大な冒険の旅がはじまるー。
世界のファンタジー・ファンが熱狂!ポスト『指輪物語』の最高最大の名作。自分の運命に圧倒されながら、シェイは命がけの旅に出発した。彼を守るのは、義兄のフリックと、ふたりの親友で冒険心あふれるメニオンだ。行く手に待つさまざまな苦難を、知恵と勇気で乗り越え、ついにシャナラの剣をもとめて危険な旅をする仲間が集うー人望の厚い王子バリノア、エルフの兄弟デューリンとデイル、ドワーフの古参兵ヘンデル、そしてドルイドのアラノン。だが、事態は予想もしない展開を見せる。闇の力に、世界は屈服してしまうのか!?善と悪の壮絶な大戦争を背景に展開する、興奮と感動の一大ファンタジー。
貴族でありながら、貧民街イーストエンドをこよなく愛するトフ氏は、数々の凶悪犯罪を解決してきた。ある夜、若く魅力的な女性アンシアとレストランで食事を楽しんでいたトフ氏の前に、雌豹に似た美しさをもつ、黒いドレスを着た殺し屋アーマが現れる。トフとアーマ-ロンドンの闇に浮かび上がる二人の因縁。J・J・マリック名義のギデオン警視シリーズで知られるクリーシーのもうひとつの代表作「トフ・シリーズ」初登場。
1955年、20歳の雅代は、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘の桃子の家庭教師を条件に住み込むことになる。モダンな明るさに満ちたその家に母親の存在はなく、孤独な少女の心には飼い猫のララだけが入れるのだった。緊張をはらみつつも表面は平穏な日々。均衡を破ったのは悟郎の恋人の登場だったー。30年の時を経て語られる悲劇的な事件の真相。心理の綾を精緻に紡ぐサスペンス長編。
城館にこもったモンテーニュはどのように思索の日々をおくったのか。想像を絶する冬の寒さ、夜の暗さの中、孤独を愛し、病に悩まされつつも、「エセー」初版を刊行する。自然、理性、運命の三要素と正面から向き合う彼の内面劇を緻密に描きつつ、中世ヨーロッパを読者の目の前に現出させる。和辻哲郎文化賞受賞。
昭和十六年十二月八日、貧しい東洋の島国が営々と築き上げた強大な海軍力は、米国太平洋艦隊を撃滅した。だがわずか四年後、日本人の誇りでもあったこの海軍が消滅してしまうとは、誰が想像し得たであろう。攻撃前日まで、米軍の動きを刻刻と伝えた実在の諜報員と、連合艦隊司令長官山本五十六。世紀の大作戦を担った二人の海軍軍人に、壮絶な近代日本の宿命を重ねて描く長編戦史小説。
会社とお金のビミョーな関係、私が教えてあげる!キュートな女子大生会計士・藤原萌実と新米会計士補・柿本一麻が監査の先々で出くわす奇妙な事件、再び!領収書偽造、原価率操作、インサイダー取引、クレーム処理に潜む罠ーますます冴える萌実の推理が、会計の仕組み、会社の仕組み、そして経済の仕組みを解き明かす!単行本未収録の短編二本を追加収録したデラックス版として、かつてない超実用的ビジネス・ミステリ文庫化第二弾!おまけに読んでなるほど納得度一二〇%、「英語で学ぼう会計用語集」付き。
植物人間を覚醒させる能力を持つ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。無関係なはずの二つの出来事を結んだのは、“ハヤブサ”というキーワードだった。“ハヤブサ”とはいったい何なのか?-うちに秘めた「見えざる力」を駆使して、次々と降りかかる試練を乗り越える子供たち。本当の友情と勇気を描いた物語。
あの夏の日、少女たちは川のほとりにある「船着場のある家」で合宿を始めた。夏の終わりの演劇祭に向けて、舞台背景の絵を仕上げるために。それは、楽しく充実した高校生活の最高の思い出になるはずだった。ひとりの美しい少年の言葉が、この世界のすべてを灰色に変えるまでは…。そして、運命の歯車は回り始めた。あの遠い夏の日と同じように-。運命の岸辺に佇む少女たちの物語。
口喧嘩無敗。いざとなったら火計(放火)の策。神算鬼謀の大軍師か?自堕落、色欲三昧、ヤクザ以下の変奇郎か?諸葛孔明の虚像に迫る、酒見版『三国志』登場。「ほんとうの孔明は、こんな人じゃなかったと思う」(作者談)。
電脳街の弱小ベンチャー「アキハバラ@DEEP」に集まった若者たちが、不眠不休で制作した傑作サーチエンジン「クルーク」。ネットの悪の帝王にすべてを奪われたとき、おたくの誇りをかけたテロが、裏アキハバラを揺るがす。
恋の代償として、軍隊生活を余儀なくされる兄・チャニョクと、引き裂かれた心の傷がいまだ癒えないその恋人ヒョギョン。そして家族を守ろうと、孤軍奮闘する弟・チャヌ。それぞれの道を行く三人だが、運命は再び彼らを引き合わせる。今度こそ離れまいとする恋人達に、三度、残酷な別れの刃が振り下ろされ…。感動のクライマックスへ向かって、物語は急速に勢いを増していく、珠玉のドラマ最終巻。