2004年5月10日発売
こゝろこゝろ
「自分は寂しい人間だ」「恋は罪悪だ」。断片的な言葉の羅列にとまどいながらも、奇妙な友情で結ばれている「先生」と私。ある日、先生から私に遺書が届いた。「あなただけに私の過去を書きたいのです…。」遺書で初めて明かされる先生の過去とは?エゴイズムと罪の意識の狭間で苦しむ先生の姿が克明に描かれた、時代をこえて読み継がれる夏目漱石の最高傑作。解説、年譜のほか、本書の内容がすぐにわかる「あらすじ」つき。
坊っちゃん坊っちゃん
生まれつき乱暴でいたずらが過ぎ、両親にかわいがられなかった坊ちゃん。唯一、細やかに面倒を見てくれた下女の清と離れ、一人で四国の中学校に赴任した。しかし、江戸っ子で生一本、無鉄砲に育ってきたせいで、田舎での生活は我慢ならないことばかり。同僚教師との衝突に、東京へ帰ることも辞さないが…。波瀾万丈の日々をユーモアたっぷりに描く、不朽の名作。解説、年譜のほか、本書の内容がすぐにわかる「あらすじ」つき。
獲物の分け前獲物の分け前
兄を頼って南仏からパリに上ったアリスティッド・サカールは、オスマン計画によるパリ大改造に乗じて不動産投機に着目、巨万の富を得ようと目論み激烈な戦いを開始する。修道院から出るまぎわに男と過ちを犯した美貌のルネを、サカールは金目当てで妻に迎えるが、やがてルネは先妻の子マクシムと官能的な不倫愛を深めてゆくのだった…。第二帝政期の華やかな建築・美術・風俗を背景にくり広げられる壮麗なドラマを、鮮烈に描き切ったゾラの傑作小説。
PREV1NEXT