2004年5月11日発売
春風無刀流春風無刀流
幕末から明治にかけて一刀正伝無刀流を開き、明治維新では勝海舟、西郷隆盛らと親交をかさね、大政奉還後の官軍と幕軍の衝突を防ぐべく身を挺した山岡鉄舟は、剣の人であると同時に、天皇側近の人でもあった。剣豪小説で定評のある著者が、剣の奥義をきわめた鉄舟の「無我」で虚心、その悠然たる生涯を描く。
情状鑑定人情状鑑定人
書店社長の娘が誘拐されるが、間もなく犯人は捕まり、少女は無事保護される。犯人は書店の従業員だったことが判明するが、七年前に妻殺しと放火の罪で服役していたー。男の情状鑑定をめぐり、家庭裁判所の女性調査官と精神医学者が過去の事件を調べていくうちに、意外な事実が明らかになっていく。
姫君姫君
たとえ、自分が生と死の境に立っていようとも、人は恋をする。なぜなら…。傷を傷というふうにも表せない男女が魅かれあう姿を通して、人が人を求める気持ち、言葉にできない寂しさを描いた五篇を収録。人を愛することで初めて生ずる恐怖、“聖なる残酷”に彩られた、最高に贅沢な愛と死のシミュレーション。
だれかのいとしいひとだれかのいとしいひと
転校生じゃないからという理由でふられた女子高生、元カレのアパートに忍び込むフリーライター、親友の恋人とひそかにつきあう病癖のある女の子、誕生日休暇を一人ハワイで過ごすハメになったOL…。どこか不安定で仕事にも恋に対しても不器用な主人公たち。ちょっぴり不幸な男女の恋愛を描いた短篇小説集。
神のふたつの貌神のふたつの貌
ー神の声が聞きたい。牧師の息子に生まれ、一途に神の存在を求める少年・早乙女。彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を血に染める殺人者への道だった。三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは?巧緻な仕掛けを駆使し、“神の沈黙”という壮大なテーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」。
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