2004年9月10日発売
星条旗の聞こえない部屋星条旗の聞こえない部屋
横浜の領事館で暮らす十七歳のベン・アイザック。父を捨て、アメリカを捨て、新宿に向かう。一九六〇年代末の街の喧騒を背景に、言葉、文化、制度の差を超え、人間が直接に向き合える場所を求めてさすらう柔らかな精神を描く野間文芸新人賞受賞の連作三篇。「日本人の血を一滴も持たない」アメリカ生まれの著者が、母語を離れ、日本語で書いた鮮烈なデビュー作。
狂人日記狂人日記
狂気と正気の間を激しく揺れ動きつつ、自ら死を選ぶ男の凄絶なる魂の告白の書。醒めては幻視・幻聴に悩まされ、眠っては夢の重圧に押し潰され、赤裸にされた心は、それでも他者を求める。弟、母親、病院で出会った圭子ー彼らとの関わりのなかで真実の優しさに目醒めながらも、男は孤絶を深めていく。現代人の彷徨う精神の行方を見据えた著者の、読売文学賞を受賞した最後の長篇小説。
億万ドルの舞台億万ドルの舞台
人生は演技だ!どうせつかむならどデカい夢を。冴えない男が国家最高の地位につくまでのスリル満点の冒険。エディ・デービスは売れない役者。エージェントにも馬鹿にされ、食料品店のツケはたまる一方で、にっちもさっちも行かない。ブロードウェーの舞台で端訳をもらってはその日暮らし。エディを励ますのは妻のメアリーただひとり。その妻が妊娠して彼はいよいよ父親になる。たいへんだ!稼がなくては!独裁国への公演旅行が、インディ・ジョーンズも顔負けするような大冒険になるとは!そして、大冒険が導く頂点とは。
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