2004年9月8日発売
下弦の月下弦の月
19歳の女子大生、望月美月。誕生日に、彼氏の安西知己と別れてしまった美月は、茫然と町をさまよう。たどり着いたのは古い洋館。聴き覚えのあるギターの旋律に誘われるように中に入ると、そこにはロンドンから来たミュージシャン、アダムがいた。一週間後、アダムと待ち合わせをした横浜美術館の交差点で、美月は車に轢かれてしまう!知己もその現場を目撃していて…!?矢沢あい作品を初めて実写化した、映画『下弦の月』のノベライズ。
くノ一忍法勝負くノ一忍法勝負
『家康はふしぎな人だ。…この人に果して父性愛があったかどうかということである』家康の密命を受け、豪快にして凶暴なその六男松平忠輝を倒すべく秘術を尽す伊賀のくの一とその房術指南役雪ノ外記の闘いを描く「倒の忍法帖」他、多彩な忍法万華鏡全七篇。
夢遊の人々(上)夢遊の人々(上)
偉大な作家たちは、時代に深く沈潜、その時代の「精神」を捕捉し、作品に封じ込めようと格闘してきた。20世紀前半、その努力は頂点に達し、巨大な作品が群生、雄大な山脈となって現れたのだった。仏語圏のプルーストしかり、英語圏のジョイスしかり…。そして独語圏にも驚異的な膂力を持った作家が現れたー名はヘルマン・ブロッホ。ヒトラー登場へと続く時代の危機を、その淵源にまで遡り省察。本書は、その独創的な省察、「価値崩壊」論を背景に、時代風俗の中で“夢遊”する人々を活写する。雄大な構想、精緻な分析、斬新な描写手法は、圧倒的だ。読者は究極、「時代精神」の確かな彫像を見ることだろう。「全体小説」を唱えた巨匠の一大金字塔。
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