2005年2月15日発売
姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔は、その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことに…。まったく違う世界に戸惑いながらも、失踪したバンド仲間を、嗅覚を頼りに捜し求めてゆく。新たな能力を駆使することで、姉の仇を討てるのか?新感覚の大長編異次元ミステリー。
肥前佐賀藩の小吏の家に生まれた江藤新平。子供の頃から一種の狂気を持った人物だった。慶応三年、大政奉還を知るや「乱世こそ自分の待ちのぞんでいたときである」と、藩の国政への参画と自分の栄達をかけて、藩の外交を担い、京へのぼった。そして、卓抜な論理と事務能力で頭角を現していった。が…。
明治維新の激動期を司法卿として敏腕をふるいながらも、明治六年、征韓論争で反対派の大久保利通、岩倉具視らと対立。敗れて下野した江藤新平は佐賀の地から、明治中央政府への反乱を企てたが…。三十四歳から四十一歳までのわずか七年間に、栄光と転落を味わった「ふしぎ」な生涯を描く傑作歴史長編。
死んじゃってもいいかなあ、もう…。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そしてー自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのかー?「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。
その日、広島は核の業火に包まれた。人類史上類を見ない大量殺戮の閃光が、日本に定められた敗北の道を歩ませ、「国家としての切腹」を目論む浅倉大佐の計画を加速させる。彼が望む「あるべき終戦の形」とは?その凄惨な真実が語られる時、伊507乗員たちは言葉を失い、そして決断を迫られた。刮目の第3巻。
「ローレライは、あなたが望む終戦のためには歌わない」あらゆる絶望と悲憤を乗り越え、伊507は最後の戦闘へ赴く。第三の原子爆弾投下を阻止せよ。孤立無援の状況下、乗員たちはその一戦にすべてを賭けた。そこに守るべき未来があると信じて。今、くり返す混迷の時代に捧げる「終戦」の祈り。畢生の大作、完結。
手がかりは、犯人が現場に残したかすかな匂い。イヌの嗅覚をもつ片桐稔は、異次元の世界に少しずつ適応しながら犯人に迫るが…。手口が似た連続怪奇殺人事件が起きるなか、失踪したバンド仲間と犯人に意外な接点が!’01年度の「このミステリーがすごい!」第4位に撰ばれた愛と感動の超大作ミステリー。
「きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ」。親の決めた許婚と結婚した園子は、ある日突然、恋を知った。相手は、夫の上司。そして…。発表当時、著者に「子宮作家」のレッテルが貼られ、以後、長く文壇的沈黙を余儀なくされた表題作ほか、瀬戸内晴美時代の幻の傑作五編を収録。
丘陵地帯の奥深く、犬が咥えてきたのは少年の骨だったー20年前に殺された少年の無念をはらすべく、ハリウッド署の刑事ハリー・ボッシュは調査を始めた。まもなくボッシュは現場付近に住む児童性愛者の男に辿りつくが、男は無実を訴えて自殺を遂げる。手掛かりのない状況にボッシュは窮地にたたされ…深い哀しみを知る刑事ボッシュが、汚れきった街の犯罪に挑む。ハードボイルド界屈指のベストセラー作家が放つ感動作。
第二次大戦で身も心も深い傷を負い、ジョゼフ・バークはアメリカに帰還した。妻に去られ、彼はボクサーへの道を歩むが挫折し、やがてニューヨーク市の実力者の娘ローレンのボディガードとなる。だが二人が心を通わせはじめたことを妬んだローレンの恋人ルイスとの争いが原因で、バークはボディガードの職を解かれてしまう。しかし彼は新たに、ある男のボディガードになった。その男とはブルックリン・ドジャースの新人選手で、黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンだった。1947年4月、ロビンソンはデビューするが、予想通りプレー中に悪質ないやがらせを受けた。球場の外でも差別をされたり、脅迫の手紙が届いたりしたが、バークの助けもあって屈することはなかった。だが、やがて事件は起きた。黒人が集まるレストランで、イタリア系ギャングのパグリアと暴力沙汰を起こしてしまったのだ。その場はなんとか治まった。が、この事件が引き金になり、やがてロビンソンとバークは命を狙われることに…。伝説の大リーガーとそのボディガードの友情と闘い。スペンサー・シリーズの著者が新境地を切り拓く話題のサスペンス。
瀬戸物屋の見沢屋が襲われた。この二ケ月間で九軒の大店が同じと思われる盗賊に入られているのだ。しかも、文之介にベタ惚れのお克の店までもが!さらに今度は、なんの手がかりも得られぬうちに人殺しが起きた!!どうする御牧父子ー。