2005年3月25日発売
愛犬ドン・ファンと一緒に遊園地で遊んでいた亜由美は、拳銃を持った日本人女性と外国人男性のカップルに誘拐されてしまう。しかも、そのまま教会に連れ込まれ、彼らの結婚式の立会人になるよう強要された!男は南米B国の反政府ゲリラ、マルセル。そして日本人女性は“ルネ”と名乗り、マルセルと共にB国大統領の圧政に抵抗しているらしいのだがーなぜ?大人気の“花嫁”シリーズ第15弾。
今度の戦いの舞台は、1937年のNY。歴史の教科書でしか知らないギャングや音楽が流行し、戦争の影が広がる世界。歴史が変わってしまう瀬戸際に立たされたボビーの、涙と苦しみの戦いの結末はいかに!?
ひとり旅で訪れたベトナムで、私は恋に落ちた。この男と寝たい、という狂おしい思いを恋と呼ぶならば。サイゴン川のほとりで、ホテルの部屋で、互いを求め合う淋しい男女の物語。選考委員の圧倒的な支持を得て、第二回婦人公論文芸賞を受賞した話題の意欲作。
フェズ河以北の一帯、カムセンの地がデルフィニア領となって半年。タンガの元領主らがゾラタス王の制止すら振り切り、失地回復を叫んで挙兵した。早期鎮圧を目指し最前線で大剣を揮う戦女神リィに、再びファロットは暗殺の魔手を伸ばすのだった。
レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。たとえば、宅配便の荷物を届けた男と受け取った男の扉をはさんだ悲喜こもごも、バーで出会った初対面の男女、それぞれに願いを叶え合おうといった男の思惑、応えた女の思惑など…。出来事や出会いが立場の違い、状況の違いでどう受けとめられるのか、言葉と言葉の裏にあるものが描かれた不思議な一冊。
日常に〈裏打ち〉を刻めば、♂と♀の喜怒哀楽が剥き出しにされるーー。TOKYO FM「JET STREAM」のプロデューサーが街のノイズからトラックダウンした短編集。 村上隆 驚愕!〈さみしくて体が無くなってゆく気持ちが沸きあがって来ます〉 久保田利伸 絶賛!〈人恋しい人ほど、ひとりぼっち。やさしい語りの中に潜むたくましさに圧倒されちゃいました。〉 樹木の葉で見えないが、やっと死ぬことが出来た人間は私の上でぶら下がっている。ぶらぶら足を投げ出して。 セールスマンの妻なんて、クソ味気なく退屈で、しかも亭主は家を空け、アタシは街をうろついた。 営業成績が三カ月にわたり最低でみんなの前で罵倒されてさすがの俺ももう少しで落ち込むところだった。からすがかあかあ鳴いている。 ニホンに着いたその足でまず美容院に連れて行かれデパートで洋服を何着も買って貰った。新幹線に乗って京都にも行った。 「やり直すことにした」これが彼の口癖だった。「すみれと会えて良かった」というのもそうだった。 ガードマンは局舎のフロアーの三箇所に立つ。正面玄関とロビーそして通用門。二時間ずつ直立不動の姿勢を取る。辛いのは夏だ。 タクシー会社に再就職、アクセル踏めば自分の道を進んでいける。家計の助けに妻はモスバーガーでハンバーガーを売っている。 新婚旅行はそれなりに楽しくて人並みに新婚気分を味わって、帰ってきたらタケシが死んだと知らされた。 十代の頃、彼女は自殺未遂を繰り返した。ちょん、と背中を押せばいつだってすたすた向こうの世界に行ってしまったかもしれない。