2005年7月23日発売
横浜医科大学の処理室から一体の屍体が消えた。屍体は江口達夫という医大生のもので、学術解剖用に遺体を提供するという遺書が死後発見されていた。消えた屍体の捜索を依頼された神奈川県警捜査一課の二村永爾は、江口の友人二人を訪ねるが、その数日後、屍体は処理室に戻っていたー。『ロング・グッドバイ』の二村永爾シリーズ第2弾!傑作長編ハードボイルド。
稲生タダシは小学五年生。両親の別居で、東京からママのふるさとの鳥取に引っ越してきた。でも、都会育ちのタダシはいなかの暮らしに馴染めず、学校ではいじめられっ子だ。夏休みが近づいたある日、近所の神社で「麒麟獅子」の祭りが開かれた。その祭りで、タダシは子供たちの憧れの英雄「麒麟送子」に選ばれてしまった!その日を境に、タダシは「妖怪を見ることができる」という不思議な能力を身につけていく。そして、妖怪たちを苦しめる魔人・加藤保憲と戦うことにー!角川映画『妖怪大戦争』原作、痛快無比の冒険ファンタジー。
神尾はるかはM大学の新入生。入学式で、幼なじみの浩子によく似た学生とすれ違い、思わず「浩子?」と声をかけてしまった。しかし、その学生が浩子であるはずはない。浩子は十数年前に故郷の村で行方不明になったままなのだ。浩子が行方不明になった時、村の大人たち全員で捜索したが、ついに発見することができなかった。その後、村にはダムが建設されることになり、浩子の失踪の謎とともに村全体が湖の底に沈んでしまったのだー。十数年の時を経て、失われた村の秘密がはるかの前に姿を現しはじめる。哀切なサスペンス・ミステリー。
「耳無し芳一」「ちんちん小袴」「ろくろ首」をはじめ、ハーンが愛した日本の怪談42編を叙情あふれる新訳で紹介する。江戸時代に詠まれた狂歌を、ハーン自らが解説した貴重なエッセイ「妖怪のうた」も収載。ハーンによる再話文学の世界を探求する決定版。
福井県西端の新興港湾都市・海市。大陸の動乱を逃れて大量の難民が押し寄せ、海市は中・韓・露のマフィアが覇を競う無法地帯と化した。相次ぐ現場警官の殉職に業を煮やした市警の一部が地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が誕生した。警官の警官による警官のための自警団。彼らは「P」と呼ばれたー。第5回大薮春彦賞を受賞した、著者渾身の最高傑作。
日系自動車メーカーのイラン工場建設のため、一億五千万ドルの巨大融資案件がもちあがった。大手邦銀ロンドン支店次長・今西は、国際協調融資の主幹事(トップ・レフト)を獲得すべく交渉を開始するが、かつての同僚で日本を捨て、米系投資銀行に身を投じた龍花が立ちはだかる。そこに突如、世界を揺るがす敵対的買収が…。弱肉強食の国際金融の現場を余すところなく描いた衝撃のデビュー作。