2007年12月11日発売
鋼次と〈いしゃ・は・くち〉を誹謗中傷する紙がばらまかれ、房楊枝が返品されてきた。おきわという女性と知り合った鋼次は、彼女に好意を抱き、その店を手伝いに出かけていく。ところが、その鋼次に身の危険が迫っていた。さらには、志保や妹のお房も狙われていく。そのすべてに、岩田屋の影があった。そして桂助は、実弟であることは伏せられたまま、将軍家定の歯の治療を、直々に行った。さらなる激動を予感させる、人気シリーズ第6弾!
「感染」「転生」に続く仙川医療ミステリー第3弾 農村風景が未だ残る関東のとある幼稚園で食中毒事件が起きた。園児の症状から、おにぎりの杜撰(ずさん)な管理による単純な食中毒だと思われたが、のちにカドミウム中毒だと判明した。安易な発表が農家の風評被害につながることを怖れた病院、保健所、警察は慎重に捜査を開始する。毒を盛ったのは一体誰か? そもそも毒はどこに潜んでいたのか……? 大ヒット『感染』『転生』の著者が贈る医療ミステリー第3弾がいよいよ登場! 善意が犯罪を加速する新感覚の展開に目が離せない!
〈あだ惚れ〉とは、むなしい恋のこと。登鯉の幼なじみの芸者ちょん太が、亡くなった花魁・髑髏太夫の男に恋心を抱く(「裾風」)。13歳の時に天狗にさらわれ戻ってきたという、国芳の女弟子芳玉。その天狗が現れたときの、芳玉の気持ち(「馬埒」)。国芳と北斎とのたった一度の邂逅(「畸人」)。夫婦にと薦められた武士をめぐる登鯉の、心の動き(「桜褪」)。高野長英の脱獄で見せた、遠山の金さんの心意気(「侠気」)。注目のシリーズ第2弾!
誰よりも美しくなりたい!と願う女性たちが集まる、青山の高級エステサロン『ヴィーナスの手』。サロン主・京子にヘッドハントされたエステティシャンの麻美は“神の手”の再来とたちまち人気を博す。ところが、かつてサロンでは“神の手”だったエステティシャンが謎の死を遂げていた。京子の夫で健康食品会社社長・安芸津と美貌の息子・柊也、麻美に嫉妬する同僚、美を競い合う客ー次第に麻美は周囲の愛僧と欲の渦に巻込まれていく。その「手」で麻美が掴み取るものは?エステ・美容業界にかかわる人間の表と裏が描かれた、ドラマチック群像ミステリー。
競輪に惚れ込んで、生きる道を変えた元バンドマン・ロッカ。非合法の世界で天下を取りたいと願う非情なノミ屋・和合。元省庁の役人・立花。出所間もない大物老ギャンブラー・鉄五郎ー。“フリーランサー”として生きる勝負師たちの壮絶な人生模様を、独特の筆致で描いた阿佐田哲也晩年の名作、長編ギャンブルロマン。ルーレット、競輪、賭けゴルフ、チンチロリン、オートレース、手ホンビキ、闘犬、ポーカー、さらには“誰が死ぬか”まで。あらゆるギャンブルが登場する。何をおいても賭け続ける男たちの、果てしなき戦いの譜。