2008年2月25日発売
童貫元帥、奔るーー 童貫とほう美がついに双頭山に進攻する。鍛え抜かれた精兵を、董平らが迎え撃つ。一方、高廉の軍と致死軍の間にも最終決戦が迫っていた。そして魯達の身に、異変が近づくーー。(解説/高井康典行)
10代で出産離婚し23歳で再婚した美加だが、新しい夫は息子にまったく無関心だった。彼女もそんな夫に同調し、いつしか虐待が始まる…。突然、夫の両親と同居することになった37歳主婦のいらだち。定年退職した直後の夫をオヤジ狩でなぶり殺された58歳主婦の孤独。現代に生きる様々な年齢の普通の女たちを鋭く描いた第18回柴田錬三郎賞受賞の傑作短編集。
海峡を目の前に見る街に代々続く旧家・桜井家の一人娘梅代は、出戻ってきた娘の美佐子と、幼稚園児の孫娘の三人で暮らしている。古びた屋敷の裏にある在日朝鮮人の教会に、梅代とその母はある憎悪を抱え、烈しく嫌ってきたー。注目の新鋭が圧倒的な筆力で描く表題作ほか「不意の償い」「蛹」を収録。
映画館、試写室、ロケ先&セットの撮影現場etc.で発生する、奇怪な事件の数々。密室、透明人間、斬首魔、建物消失などVFX級の謎に酩探偵・紅門福助が挑む!単行本特典として書き下ろし三本を収録したスペシャル・エディション。
美貌の熾天使セラフィの任務は、美神アフロディトの子を殺し地上に逃れた悪竜ジラフを捕らえ、天界の霊的秩序を脅かす危険を除去することだった。ゴビ沙漠横断に挑む1931年のシトロエン探険隊、戦火に包まれた紀元前48年のアレクサンドリア、そしてシェイクスピアが新作悲劇の想を練る1599年のロンドンへーセラフィの追跡行は、やがて虚実の境界を超え、『ハムレット』を侵犯していく。日本SF屈指の傑作、ついに復刊。
編集者の田中聡とライターのさとうゆうは幼なじみで、いまは東京に住んでいる。聡がファンだった小説家・小川満里花と仕事をきっかけに交流が生まれ、三人と満里花の飼い犬・イエケとの、ささやかな幸せに満ちた日々が続く。そんななか、イエケがゆうを咬んで大怪我をさせた。後日、満里花はイエケを殺した、とふたりに告げるー。一年ほど後、東京でSARSが大流行、都内は混沌とする。SARS禍の陰には一頭の犬の存在が見え隠れして…。背徳、官能、危機、恋ーすべてを内に秘めて物語は進む。作家・打海文三が遺した傑作。