2008年6月13日発売
ひょんなことから自堕落な真打ち、三々亭平佐の弟子となった香須美。前座として、愛する落語に情熱を注ぐ。そんなある日、師匠が禁断の噺を高座にかけると宣言したから、さあ大変…。大阪の女性漫才師の奮闘を描き、選考委員から満場一致で支持された、オール讀物新人賞受賞作「ええから加減」も収録。
永遠に待ち続けると思うのです。世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待っている。-六年前、突如行方が分からなくなった恋人を待つ女性のモノローグからなる表題作他、濃厚な死の影の間近で紡がれる詩情。
五十四帖からなる「源氏物語」には、題名しか伝わっていない“消えた一帖”があった!?五歳年長の義母にして帝の妃・藤壺は、幼くて顔も覚えていない時に亡くなった生母・桐壺と瓜二つのように似ているという。切ない恋心をつのらせていく若き光源氏と藤壺の、許されぬ初めての逢瀬を、作家・瀬戸内寂聴が小説化。
「私はあなたと別れます。なぜならあなたが途轍もない馬鹿だとわかったからです。足は臭いし、チンポが臭いくせにフェラチオしろと言うし」誰もがみな本音しか言わないすがすがしい街「本音街」、突然現れ日本を大混乱に陥れる巨大怪獣「ギャオスの話」他全七篇。奇想あふれる破天荒なる爆笑暴発小説集。
愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。
正義感に燃える新米弁護士堂本孝に、五歳の娘を連れた母親が離婚相談に訪れる。夫のDVを察知し奔走する堂本。ところが、依頼人は夫を刺殺してしまう。保険金殺人か。依頼人は事実を語らない。熾烈な法廷対決の果てに浮上した恐るべき真相、そして堂本孝だけが最後に見た光景とは。