2009年3月13日発売
米国フロリダに住む日本人少年、研一。隣人の少女パメラは、養父からレイプされていることを彼に打ち明ける。彼女を救うため研一は養父に向けて拳銃の引鉄をひいた…。第一級殺人罪で裁かれる少年は、終身刑か無罪か。陪審員である12人の普通の市民が出した評決は?国際派作家が描く迫真の法廷サスペンス。
六尺豊かな巨躯と鋭い眼光、二十六歳の若さながら博学と豪胆さを持つ傑物・近藤重蔵は長崎奉行手附出役に抜擢され、天領・長崎へ赴任する。抜荷(密貿易)と切支丹を取り締まり、縦横無尽に事件の解決に当たる。忍び寄る薩摩の影。オランダ甲比丹の企みとは!?舞台を長崎に移しての傑作時代小説シリーズ第4弾。
探偵のナコと学生の頼科が見つけた写真には、ギロチンの前で助けを求める女性の姿が。二人は彼女を救うため、不吉な過去をもつ『ギロチン城』へ。外界から隔絶された密室で、犯人探しに挑む。連続する新たな密室殺人。一体、誰が何のために!?不可能を可能にしたトリックとは?“城”シリーズ第4弾。
人の弱みにこそ勝機あり。理念無き利益操作が支える「危ない株」も、村おこしとは名ばかりの錬金術も、途上国へのハイリスク融資も、経済の闇に蠢く魑魅魍魎にとっては宝の山だ。金融界のまっとうな道を踏み外した男たちのカネへの執念が生んだ熱い物語。国際経済小説の旗手が切り開いた新境地、全4篇。
女子中学生・小林冬子。苫小牧から船に乗り、行き着いた先は見知らぬ孤島。いったいここはー後頭部を殴られ小屋に寝かされた文子は、監視の役目を依頼される。「見る」者と「見られる」者の関係が逆転するとき、事態は一変する。話題をさらった佐藤友哉の問題作ついに文庫化。著者本人による25頁の解説つき。
西之園萌絵は、叔母を連れて白刀島までやってきた。加部谷と、この島の出身者である山吹、海月と合流し、夕食の席で、島の診療所に女性の幽霊が出るという噂話を耳にする。(「刀之津診療所の怪」)。ほか「砂の街」、文庫版に初収録の「ライ麦畑で増幅して」など、煌めく魅力を湛えた、全10作の短編を収録。