2009年8月28日発売
四十日と四十夜のメルヘン四十日と四十夜のメルヘン
配りきれないチラシが層をなす部屋で、自分だけのメルヘンを完成させようとする「わたし」。つけ始めた日記にわずか四日間の現実さえ充分に再現できていないと気付いたので…。新潮新人賞選考委員に「ピンチョンが現れた!」と言わしめた若き異才による、読むほどに豊穣な意味を産みだす驚きの物語。綿密な考証と上質なユーモアで描く人類創世譚「クレーターのほとりで」併録。
逃亡者逃亡者
持ちかけられた交換殺人に乗ってしまい、知人の夫を殺した罪で逮捕された友竹智恵子だが、警察の不手際で脱走に成功。顔を変え、身分を偽り、日本全国を逃亡し続ける。智恵子を追いかける警察の執念。時効の壁は15年。逃亡劇は驚愕の結末へ突き進む。
憂える花嫁憂える花嫁
骨折した双子の姉に懇願され、身代わりデートに赴いた楓。お相手は…アラブの王族で大企業を経営するセレブ、イスハークだった。エメラルドの瞳をもつ美貌のイスハークに、なぜかどきどきしてしまう楓。一方のイスハークは初恋の相手に瓜二つの楓にすっかり魅せられ、結婚を前提にした交際を申し込む。そんな折、楓の会社が外資系企業に買収された。新社長はなんとイスハークで…。偽りのフィアンセに疼く恋心。
PREV1NEXT