2010年10月11日発売
西暦二一九九年、正体不明の敵・ガミラスが投下した無数の遊星爆弾によって地球は放射能で汚染されていた。人類の大半は死滅し、地球はまさに滅亡の危機を迎えている。そんな時、謎の未確認物体が地球に落下。現場で発見されたのは十四万八千光年離れたイスカンダルから届いた通信カプセルで、人類に宛てた重大なメッセージとともにイスカンダルへの道筋とそれを可能にする波動エンジンの設計図が示されていた。人類はすべての希望を託して、最後の宇宙戦艦ヤマトを建造。ガミラスとの戦闘で兄を喪った古代進も、遙かイスカンダルへと旅立つヤマトに乗り込む。
江戸の神田界隈では辻斬りが横行していた。事件を追う岡っ引きの恒五郎は、かたぎ長屋に住む浪人・瀬能宗一郎を下手人と睨んでいた。嫌疑をかけられた宗一郎は、長屋の大家で元岡っ引きの与左衛門や旗本の御輿大三郎と共に一計を案じることに。一方、宗一郎を執拗につけ狙う凶剣士・木久地真之介の背後には、「ご家老様」率いる信濃あたりの藩の重鎮一派がついていた。徐々に明らかになる竹光侍・瀬能宗一郎出生の謎。そして、ふたたび相まみえた宗一郎と木久地。その決着やいかに。ベストセラー書き下ろし時代小説シリーズ第二弾。
十二歳の少年スティーヴンは、今日も母の弟ビリーの遺体を捜してヒースの茂る荒野にシャベルを突き立てる。十九年前に起きた連続児童殺害事件以来、被害者の母となった祖母は心を閉ざし、母もまた鬱屈した感情を抑えることができない。傷の癒えない家族を変えるためには、ビリーの遺体を発見し、事件を完全に終わらせるしかないと考えたスティーヴンは、やがて殺人犯である獄中のエイヴリーと手紙のやりとりを開始する。猟奇的殺人犯と十二歳の少年の危険な往復書簡は、次第に二人を思わぬ方向に導く…。英ゴールドダガー賞にノミネートされた傑作スリラー登場。
稲穂が金色に輝き、風に揺れてシャラシャラと唄を奏でる山陰の秋。娘の奈緒子、孫の嫁・美代子、曾孫・東真、近所の花屋の店員・史明の四人に送られ、九十二歳の松恵は息を引き取ろうとしていた。松恵は、先だった夫が今際の際に発した言葉を思い出す。奈緒子は、だれの子だ…。「百年近くを生きれば、全て枯れ、悟り、遺す思いもなくなり、身軽に旅立てるとばかり信じておりましたが、どうしてどうして、人間って簡単に軽くはならないようです」多くの人の心を受けとめ救った大おばあちゃんが、美しい風景に送られ、今日旅立ちます。